Amelie「ノンフィクション」
2枚目のシングル
Amelieの楽曲「ノンフィクション」は2019年4月にリリースされた2ndシングルに収録されています。
理想と現実の違いをリアルに描きつつも、最後はポジティブな気持ちに引っ張ってくれる楽曲です。
心に秘めている想いをありのまま表現している「ノンフィクション」の歌詞は切ないのに何故かほっこりしてしまいます。
内容は暗いのに笑顔で聴くことができる楽曲は珍しいと思いました。
それはきっとAmelie自身が嫌なことや悲しいことから逃げずに向き合っているからこそ、思いっきり演奏できるのでしょう。
ダークな部分も隠さずに伝えていくAmelieの楽曲
「ノンフィクション」の中に隠されたメッセージは"別れ"です。
自然に楽しく笑える日々がいつまでも続くと思っていたのに、気づけばあなたのいない人生になっていた…。
歌詞の前半だけを見るとかなり切ない印象が残ります。
しかしそれを悲しみだけでは終わらせず、前向きな気持ちに変換しているのが「ノンフィクション」なのです。
その様子はMVにも表現されています。
そこには"別れ"の悲しみは一切描かれてなく、大切な人がいることの幸せを感じる映像です。
あなたの分までわたしは笑って楽しく生きていくよ!というポジティブな要素もたくさんあります。
今回はMVから感じ取れるメッセージを解説していきたいと思います。
ノンフィクション」のMVを解説
演奏するAmelie
MVの序盤に登場するのは路上で「ノンフィクション」を演奏しているAmelieです。
Amelieにとっての日常はライブなどの音楽活動なのでしょう。
ノンフィクションのAmelieを表現するにはライブ姿が欠かせません。
いつもの自分たちを包み隠さず表に出している様子はアーティストであり、1人の人間であることを教えてくれます。
こうやってAmelieが4人でバンド活動を続けられているのも今は日常かもしれない…。
でも来年、再来年、何十年後も同じとは限りません。
Amelieに限らず全ての人や物が永遠ではないことをこの映像と歌詞で発信しているのです。
先程も少し触れましたが、序盤の歌詞は切なさが漂っています。
メロディーも比較的穏やかで、ボーカルmickさんの声も語りかけるように淡々としているのです。
それは同じ毎日を変えたい自分と変わらない毎日であって欲しいと願う矛盾を表現しているように感じました。
Amelieにはバンドとして更なる飛躍を遂げたいという目標があります。
しかしそれを達成するためにメンバーがバラバラになってしまっては本末転倒なのです。
あくまでも今の仲間と頑張っていきたい…そして結果を残せればもっと幸せになれます。
ある意味欲張りな矛盾であり、どちらも叶うことが難しいからこそ人間は葛藤するのでしょう。
友達、恋人、家族…それぞれの大切な人
MVの中盤からはファンの中から募集したおよそ50人のエキストラが出演していました。
友達、恋人、家族などそれぞれ大切な人と一緒に貴重な時間を過ごしている様子が伝わってきます。
この映像から感じるのは"今いる人"をどれだけ大切にできるか?というメッセージです。
お互いが元気で毎日が楽しく笑って過ごせるのならばそれで良いと思います。
自然体の人間模様を描きたかったからこそあえてAmelieファンをエキストラとして採用したのだろうと感じました。
このように全てがノンフィクションで構成されているMVになっています。
「ノンフィクション」が意味するものとは?
日常は少しづつ形を変えていく
ノンフィクションというワードはドラマや小説などでもよく聞くと思います。
創作されていない、本当にあったありのままの物語がノンフィクションです。
世の中のドラマの大半はフィクションであり、創作されているので非日常を味わうことができます。
自分の人生には決してあり得ない事件ばかりが起きるフィクション作品は客観的に見れば面白いのです。
それが現実に起きたらただパニックになるばかりでしょう。
変わらない毎日の中でも実は少しずつ様々なものが変化しています。
フィクションと比べると些細なことばかりなので気づかないだけなのです。
同じ毎日を過ごしているように思えて、1年前の自分や1年後の自分は果たして今の自分と全く同じでしょうか。
きっと何かしらの変化が起きていると思います。