学園青春ドラマ『飛び出せ!青春』の主題歌
青い三角定規が歌って大ヒット!
1960年代の後半から1970年代半ばにかけてシリーズものの青春ドラマが放送されて人気を集めました。
この頃はちょうど日本の高度成長期で世の中は活気に溢れ、映画や音楽などに数々の名作が生まれた時代です。
そんな時代の流れに乗ってテレビドラマも数多く製作され、人気ジャンルのひとつが青春ドラマだったのです。
今回ご紹介する青い三角定規の「太陽がくれた季節」は、その中の『飛び出せ!青春』の主題歌として大ヒット。
『飛び出せ!青春』(とびだせせいしゅん)は、村野武範主演による東宝制作、テアトル・プロ共同制作の日本テレビ系で放送された『青春とはなんだ』(1965年)を起点とする青春学園シリーズの1作である。1972年2月から翌年2月にかけて一年間放送された。主題歌『太陽がくれた季節』も大ヒットした。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/飛び出せ!青春
村野武範もこのドラマの主演をきっかけに広く名前を知られるようになります。
既にデビューして映画へも出演していましたが、一般への知名度はそれほどでもありませんでした。
当時の人気青春ドラマシリーズはスターへの登竜門でもあったのです。
それに面白いドラマと素敵な主題歌が相乗効果でヒットするのは昔も今も変わりません。
ドラマを見た人は画面から流れてくる主題歌を気に入って、誰かに「いい曲だよ」と教えたくなる。
その曲を聴きたくてテレビを見た人はドラマの面白さにはまって来週もまた見ようと思う。
主題歌がヒットすればまたドラマの視聴率も上がり、主題歌もさらにヒットするという流れですね。
誰もが初めて聞く名前だった青い三角定規は、この曲のヒットでまたたく間に人気グループとなったのです。
TVアニメのエンディングテーマとして復活!
学園青春ものは昔も今も大人気
日本代表クラスの実力を持つが潔癖症というサッカー部員を主人公にしたTVアニメ『潔癖男子!青山くん』。
あらすじ
青山くんはU-16日本代表にも選出される実力を持つが、大の潔癖のためにヘディングやスライディングなどの泥臭いプレーを嫌っている。彼は潔癖が故の単純な理由で弱小高校の富士美高校に進学し、財前かおるら個性あふれるサッカー部員たちとサッカーに打ち込んでいく。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/潔癖男子!青山くん
学園を舞台にしたドラマやアニメが人気なのも、昔も今も変わりません。
誰もが青春時代には思い入れがあり、青春真っ只中の人たちであればなおさらです。
学校生活には部活がつきもので、分かりやすくみんなが熱くなれる運動部は青春の舞台に最高ですね。
富士美高校の弱小サッカー部を舞台にしたTVアニメ『潔癖男子!青山くん』は2017年に放送されました。
そのエンディングテーマとして「太陽がくれた季節」が40年以上の時を経て復活したのです。
青い三角定規のオリジナルではなくてカバー曲なのですが、びっくりするほど違和感がありません。
高校サッカー選手権大会のテーマソングに使われても良さそうな気がします。
YouTubeからご紹介しますのでよろしかったら聴いてみてください。
短い歌詞の中に見える世界
彼女の悩みを想像する感性と優しさ
君は何を今 見つめているの
若い悲しみに 濡れたひとみで
逃げてゆく白い鳩 それとも愛
君も今日からは
ぼくらの仲間
とびだそう 青空の下へ
出典: 太陽がくれた季節/作詞:山川啓介 作曲:いずみたく
グループ名の「青い」はたぶん青春を意識しているのではないでしょうか。
男女3人組と授業で使う三角定規にかけて「青い三角定規」になったのではないかと思います。
いずみたく作曲のメロディーは出だしからブラスが入って元気がよく、若さを連想させる勢いがありますね。
だけど歌詞はロマンチックな場面から始まります。
どちらかといえば少し暗いイメージかもしれません。
彼の目に映っているのは寂しそうな女の子なのでしょうね。
涙をためた彼女が見つめるのは平和の象徴でもある鳩と、誰にとっても大切な愛です。
優しい彼は彼女を孤独から救おうとします。
青空は夢や希望を表していて、ひとりで悩んでいないでみんなで一緒にいようよと誘っているのです。
最初の短いパートの中に悲しみと希望が詰まっているのは、見事だなと思います。
彼女がどうして悲しんでいるのか心の中で問いかける彼の感性。
いきなり声をかけずにまず想像してから助けようとする優しさがいいですね。
悩んでいるときに、がさつに踏み込んでこられるのは嫌な人もいるのではないでしょうか。