好きな人とはいつまでも一緒にいたい、くっついていたいと思うことは自然な感情です。
しかし、現実的にそんなことはできません。
同居でもしていない限り、別れてそれぞれの場所へ帰らなくてはならないのです。
それが一時の別れだったとしても、恋人たちにとってはとても寂しく感じられます。
またその別れが距離も時間も、遠くて長くなるものであればどんなに切ないでしょう。
側に居てお互いのぬくもりがあれば、愛しさはますます募りますがその分切なさも同じように募ります。
そこに隠れている感情は、もう恋だけではないかもしれません。
恋が愛に姿を変えていく様子が見えるようです。
願いと祈り
恋をするとこうしたい、ああなりたいと何かと願うことが多くなります。
主人公の場合は何を願っているのでしょうか。
時間は戻らない
流れゆく時は君と僕を
無情にも追い越してゆく
出典: MY PRAYER/作詞:Masaya Wada 作曲:Masaya Wada・AILI
時間はずっと続く代わり、決して後には戻りません。
2人の時間は同じように見えて、実は別々の方向に流れていってしまうこともあるのです。
それは、人はそれぞれ固有の時間の中を生きているからです。
そのかすかな違和感のような心もとない不安は、誰もが日頃は無意識に考えないようにしています。
しかし相手を愛しく思う程、その不安は強く感じられがちです。
同時に無視することが難しくなってくるものといえます。
主人公の望み
ただ君の隣にいたい
それだけが僕の願い
My prayer
出典: MY PRAYER/作詞:Masaya Wada 作曲:Masaya Wada・AILI
人が時間を操ることは不可能です。過去には戻れないし、遠い未来にも行けません。
好きな人と一緒にいる時間も永遠に続けば良いと思うこともあるでしょう。
しかしそれすらもできません。
どうにもできないことに対して、人は「願う」しかないのです。
それが届くかどうかは分からないけど、ひたすらに思い続けることしかできません。
人はこんなにも何にもできないと切なくなります。
それでも愛しい人を想い、側にいることをやめられない生き物です。
これこそが主人公が胸に秘めた思いなのでしょう。
自分の不在
好きな人が別の誰かと親し気にすると、面白くなくて妬いてしまう人もいるのではないでしょうか。
それは主人公も例外ではないようです。
眼差しの先
他の誰かを見る君の
眼差しが僕を苦しめるけど
出典: MY PRAYER/作詞:Masaya Wada 作曲:Masaya Wada・AILI
好きな人にはずっと自分を見ていて欲しいと思うものです。
しかし今、好きな人は別の人を見ています。
視線の先に自分がいないだけで、主人公は嫉妬の苦しみを感じているようです。
さらにその眼差しが優しければ優しいほど、どうしようもなく悲しくなってしまいます。
もちろん誰かを苦しめているとは相手は思ってもいません。
しかしその無自覚がまた無性に切なくさせてしまいます。
そんな思いをさせる人がいるとしたら、きっと自分はその人が好きなのでしょう。
恋は時々、とても苦しいものに変身します。
繋がっている2人
会えない時が愛を育み
ふたりの絆
途切れないように
出典: MY PRAYER/作詞:Masaya Wada 作曲:Masaya Wada・AILI
絆は元々、馬や牛・鷹などをつなぎとめておく綱を指す言葉でした。
そこから、気持ちがつながる事を絆と呼ぶようになったと考えられています。
絆や愛は目に見えません。
見えたらどんなに安心できるだろうと思いますが、絆や愛はそこにあると信じることしかできないものです。
そこにあると自分が信じていれば、自分から相手へのびていく絆や愛は途切れることはないでしょう。
どんなに会えない時間が長くても、お互いの場所が遠くても、大事に育てられるものが絆と愛なのです。