キミが今一番 
会いたい人は誰?
心の中でだけ話せる
人の数は増えていく
だから強くなりたかった只

出典: 作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一

サビはメロディラインが特に明るく展開されており、凄くキャッチーでポップな印象を受けますね。

しかし、歌詞は迫り来る孤独に恐怖しそれに抗おうとする人間の姿が表されており、非常にシリアスな内容になっています。

これは正にもう会えなくなってしまった人が増えることへの恐怖を訴える歌詞です。

1度聞いただけでは中々理解するのが難しい歌詞ですが、意味が分かると強いメッセージ性を持って心に響きますね。

「会えなくなってしまった人」というのは、恐らく亡くなってしまった人の事を指します。

もしも明日大切な人と金輪際、面と向かって話をする事が出来なくなってしまったら…。

考えただけでも恐ろしい事です。

しかし他人と同じ寿命を生きる事など出来ません。

誰にも平等に別れの瞬間はやってくるのです。

そんな時に唯一出来る対策が強くなる事なのだと思います。

大切な人との別れを乗り越え、前に進む力。

それは並大抵のものではありません。

けれども必ずやってくるその瞬間から目を背けているだけでは、人は悲しみに耐える事が出来ないのです。

擦れてしまった人へのメッセージ

SNS社会

ニュースが他人事の様な
その心が心配事だ
全力を笑えた人も
全力で泣いていたのに

出典: 作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一

2番のAメロの歌詞には、本来の人の善良な部分を思い出して欲しいという願いが籠もっています。

今般はインターネット社会、SNSの普及により他人との繋がりの希薄化が問題になっていますね。

本来ならば顔が見えないからこそ真摯に思いやりを持って人と関わらなければなりません。

しかしSNSが普及した今、それが当たり前になって感覚が麻痺してしまっている人は多いと思います。

他人事だから自分には関係ない。所詮は画面の向こうの話。

そんな風に思ってしまう心理とは恐ろしいものです。

人は1人では生きられないもの。

その事を忘れて他人を笑えば、いつの日か気が付いた時には自分が1人ぼっちになってしまっているのかも知れません。

正直に生きて

夜が恐いなら泣いたらいい
朝を迎えて笑えたらいい
どれだけ今日に疲れても
まだ観ぬ今日は美しいんだ

出典: 作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一

先ほどの歌詞と連動して、擦れて優しさを忘れてしまった人に本心を思い出すよう促していますね。

不安な事があっても今が辛い状況であったとしても、乗り越えて欲しいと願っているのでしょう。

思いやりに満ち溢れた優しい言葉ですね。

ここまでの歌詞に一貫している事柄に「生きる力」がありますが、このパートではそれを最も強く感じます。

生きて生きて生き抜く。

そうすれば開けない夜などありません。

疲れて希望を失いかけている人に何とか強く生きて欲しい。

というtacicaからのメッセージが感じられます。

綺麗なものほど信じられない

太陽を疑っていて
月より少し翳って
嘘吐かれて怪我もしたけど
太陽を疑っていて
月より少し翳って
嘘を吐いて怪我もさせただろう?

出典: 作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一

それぞれ太陽とは潔白なイメージの人物。

月とは目立たず取るに足らない人物を想起します。

この歌詞の語り部は、信頼に足ると思っていた人に裏切られた過去があるのかも知れません。

その時から太陽が月よりも明るいようには見えなくなったのでしょう。

しかしそれは決して一方的なものではなかったようです。

この歌詞の語り部もまた、相手に対して嘘をついてしまったという自覚があります。

この語り口にはどこかそういった過去を反省して悔いているような、そんな印象を受けますね。

人と人との繋がりを大切にする上で大切なのは、悪い事はきちんと謝罪し許す心を持つ事です。

わだかまりを抱えたままでは人間は必ず孤立してしまいます。

人が人らしく生きる為に最も重要な事。

それは素直さと正直さなのかも知れません。

出来ることならもう一度

再度、自分に問う

僕が今一番会いたい人は誰?
心の中でだけ話せる人よ
数が増えていくのなら
僕は生きれない?

出典: 作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一

1番のサビの歌詞とほとんど同じようですが、ここでは「君」ではなく「僕」なので、これは自分への問い掛けです。

問い掛ける相手が変わる事でより深く「会いたい人」について考えさせられる内容になっています。

語り部が僕は1人でも生きていけるだろうか?と不安を感じているのが伝わってきますね。

前述したように【newsong】はNARUTO疾風伝のオープニング曲です。

NARUTOの主人公である「うずまきナルト」もまたこの歌詞のように孤独な生涯を送って来ました。

この歌詞はナルトの境遇になぞらえて書かれたものなのかも知れませんね。

それでも明日はやってくる