阿部真央「どうしますか、あなたなら」
ドラマ『これは経費で落ちません!』主題歌
選択に迫られたとき、何を基準に判断すればいいのでしょうか。
必要なものだから選ぶ。
必要じゃないからこっちは選ばない。
シンプルに自分の価値観に則って判断できたらいいのですが、そうはいかない場面もあります。
失敗したくない、変な目で見られたくない、と他人の目を気にして。
自分の意見を飲み込んでしまうこともあるかもしれません。
今回解説していくのは阿部真央の「どうしますか、あなたなら」(2019)です。
ドラマ『これは経費で落ちません!』の主題歌として書き下ろされました。
完璧主義の主人公の心情に寄り添いたいという思いで描かれた歌詞。
自らの弱さを受け入れ、心を鼓舞していく力強い言葉が並びます。
今、他人の目に苦しみ窮屈な思いをしている方へ。
他人の目を気にして完璧を求めるのではなく、自分の意見を尊重しようと、そっと語りかけてくれる楽曲です。
シンプルで爽快なナンバー!
「どうしますか、あなたなら」は阿部真央の18枚目のシングル曲です。
シンプルなバンドサウンドによって奏でられる、爽快でアップテンポなナンバー。
ブリッジミュートで刻まれていくアコギのビートが、じわじわと心を掻き立てます。
音数が少ない分、阿部真央の艶やかな歌声がよりダイレクトに浸透。
歌詞がハッキリと聴こえ、メッセージが胸にスッと入ってきます。
「どうしますか、あなたなら」のMVもチェック!
![](https://img.youtube.com/vi/BG1S-FKDA7k/0.jpg)
阿部真央のYouTubeチャンネルでは「どうしますか、あなたなら」のMVも公開中です。
二手に分かれた階段の前で歌う阿部真央。
楽曲の世界観である“選択”を表現しています。
そして楽曲の進行とともに映し出されていくのは、さまざまな人に降りかかる、さまざまな窮地。
「人生は選択の連続」とはよくいいますが、まさにそれを表現したMVとなっています。
MVの登場人物を自分に置き換えて、「どうするのか、自分なら」と考えてみるのも面白いかもしれません。
他人の目に苦しみ、偽った自分を演じてきた
「良い自分」で居たいと思うほど 苦しい
こうあるべきだと ずっと信じてきた
大人になる度 間違えられなくて
甘えることなど もう忘れていた
出典: どうしますか、あなたなら/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
他人からの目に苦しんできた主人公。
本心とは違うものを選び続け、偽りの姿を演じてきました。
嫌われないように、見捨てられないように。
完璧な自分であるために、自分を捨ててきたのです。
そうして歳を重ねていく内に、いつのまにか社会的な責任や地位も生まれて。
失敗をしなくていいように、挑戦ではなく安定を選ぶようになっていきました。
誰かに相談できたらいいのですが、「そんなもんだよ」と諭されそうで怖くて。
本心とのギャップに、心はどんどん疲弊していくのでした。
「生きたいように、生きたい」という心の声
綺麗な丸をもらえても それ本当に欲しいのか?
私が目指してきたものは 果たして正しかったのか?
違うかも
出典: どうしますか、あなたなら/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
偽りの姿を演じ、嘘で塗り固めてきた人生。
いつしか偽っている方の姿が自分にとっても、他人にとっても、当たり前になっていきました。
そんなとき褒められる出来事が。
認められたい一心で何をするにも他人の目を気にしていた主人公にとって、この上なく嬉しいことでしょう。
しかしそこでやっと気付くのでした。
「偽った自分を褒められても嬉しくない、生きたいように生きたい」という心の声に。
意識が他人の目から自分自身へと向いた瞬間です。