阿部真央の「それぞれ歩き出そう」とは?

【それぞれ歩き出そう】阿部真央が自分と〇〇との関係を重ねて書き下ろした楽曲!?思わず涙する歌詞を紹介の画像

「それぞれ歩き出そう」は、2014年10月22日に発売された阿部真央の12枚目のシングルです。

映画『小野寺の弟・小野寺の姉』の主題歌として書き下ろされました。

向井理さん、片桐はいりさんのダブル主演でも話題になった、2014年公開の作品ですね。

訳あって恋に臆病な姉弟の新たな恋とその行方が描かれたこの映画

主題歌となった「それぞれ歩き出そう」の歌詞には、どんな意味があるのでしょう。

まずはMVを見ていきましょう。

どこか哀愁を感じさせる「それぞれ歩き出そう」のMVを公開!

劇中で印象的に登場する、自転車、味噌汁、焼き芋、縁側などが盛り込まれ、どこか懐かしさを感じさせるような雰囲気に仕上げられたMV

優しい雰囲気の中にどこか哀愁を感じますね。

幸せになりたいのに、自分が幸せになることにどこか罪悪感を覚えてしまう人間の哀しくも愛おしい一面が描かれた映画を思わせるようです。

では、歌詞の方も映画の内容に合ったものとなっているのでしょうか。

歌詞を解釈していきましょう。

阿部真央「それぞれ歩き出そう」の歌詞を解釈!

「それぞれ歩き出そう」の歌詞は、実は阿部真央さんが自分とお母さんの関係性を映画に重ねて書いた楽曲なんです。

「今までの事思い出すと涙滲むのはどうして?」という歌詞の一節の通り、ライブでも阿部真央さんが思わず涙しながら歌うことが多いこの曲。

喧嘩したり、理解し合うことができなかったりと上手く行っていたことばかりではないのに、思い出すと泣きたくなるくらい懐かしくて愛おしい。

そんな家族の時間が描かれた歌詞に注目しながら読んでいただければと思います。

子供の頃の後悔と親の優しさ

僕はいつだって自分の事だけで あなたの事傷つけてばかりで
泣きたかったのはあなたのはずだったのにね 本当にごめんね
「そうやってまた気にして気遣って電話くれたのね。いつも言ってるけど、
あなたはそんな事考えなくていいの。だから元気で居なさいね」

あの晴れた空を
わたがしの味を
泣かせてしまった日を
繋いだその腕を

出典: それぞれ歩き出そう/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

母子家庭で女手一つで育てられた阿部真央さん。

自分のせいで母の女性としての時間を奪ったと責任を感じていたというエピソードを以前のインタビューで語っていました。

そんな自分を振り返り、母に反抗し傷つけてしまった日々を、泣きたかったのは母だったはずなのにと申し訳なさが表れている歌詞。

しかし、そんな風に言うと、そんなことは考えなくていいと言ってくれる母の姿が描かれていますね。

ただ元気でいて欲しいという親の気持ちも、迷惑ばかりかけて申し訳ないという気持ちも母親2年目の筆者としてはよくわかるのですが、皆さんはどうですか?

そして、その歌詞に続く情景描写は、断片的でありながら、夏祭りや喧嘩、手を繋いで歩いた帰り道など母と子の思い出をうかがわせますね。

いいことばかりではなくても、懐かしく、愛おしい。

そんな想いがこの部分の歌詞だけでも感じ取れますね。

また、映画と重ねると、自分のいたずらのせいで中学時代姉の歯が折れてしまい内気な性格になってしまったことに大人になっても罪悪感を覚える弟のおもいでもあるのかもしれません。

続きの歌詞も見ていきましょう。

涙が滲む理由は...

今までの事思い返すと 涙滲むのはどうして?
キレイなだけじゃ語れない 足跡を胸にまたそれぞれ歩き出そう

出典: それぞれ歩き出そう/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

親との思い出は「キレイ」なことだけではない。

ぶつかり合った思い出も傷つけてしまったこと、傷ついたこと、様々なことが思い出される様子ですね。

しかし、思い出すと、涙が滲む。

「どうして?」とその理由を自分に問いかける歌詞ですが、ですが、きっとそこに愛があるからでしょう。

そこにある確かに共に歩いてきたという記憶を胸に、それぞれの人生を歩んで行こうという前向きな歌詞です。

全ての季節が愛おしい、それはあなたがいたから

いつも強がって笑顔で僕を元気づけて
心配させぬようにしてたの知ってるよ
「強がってなんかないわ。そもそも本当に強いし。
ただいつでもあなたに支えられてたの」

浮かれてた春も
ケンカした夏も
はぐれてた秋も
笑ってた冬も

出典: それぞれ歩き出そう/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

心配させないように強がってきたんだろうと言っても、本当に自分は強いし、むしろ支えられてきたと言ってくれる母の姿が描かれている部分ですね。

母強しとはよく言いますが、強くなるのは守りたいものがあるからなんですよね。

共に過ごした全ての季節を愛おしく思い出す歌詞ですね。