杏里【CAT'S EYE】歌詞の意味を解説！目を光らせて見つめるものは？狙った獲物は逃がさない…！

妖しく鋭いCat's eye。

その瞳は何をみつめているのでしょうか。

猫の目のようにというと、ころころとよく変化することを指します。

実際に猫の目は、場面に応じて形や瞳孔が変化し、それは心の内を表しているようです。

猫の目は、変化するだけでなく光に反射して妖しさを醸し出すことも。

獲物をみつけると眼光するどく狙いを定める怪盗たちの姿は、猫に似ているのかもしれません。

また、アニメの中で三姉妹は体のラインがはっきりとわかる衣装に身を包んでいます。

美術品を守る厳重な警備をしなやかに突破する姿はまさに猫。

都会の荒波や、男たちの誘惑を柔らかくするりと交わす女性の姿もまた猫に似ているかもしれません。

誰にも、何者にも捕まらない、その手に落ちない美しい女性。

キャッツ・アイはそんな都会の女性の姿にどこか重なっているようです。

この曲の中では、語感と雰囲気で英単語が使われている感じです。

繰り返される、「magic」「dancing」という単語。

実際の訳はともかく、その雰囲気から、まるで手品のように美術品を盗み出しダンスを踊るように華麗に消えていく。

そんな場面が目に浮かんできます。

このアニメの、そしてこの曲の魅力は「現実離れ」しているところ。

刑事と泥棒のカップル。

喫茶店をしながら、美術品を盗む美人姉妹。

そこには、通常では考えられない「なんだかカッコイイ」世界が描かれています。

都会的でミステリアス。そして、日常ではあり得ない独特の世界観。

ストーリーと、その主題歌となったこの曲は、バーチャルの世界のカッコイイものをこれでもか、と詰め込んでいます。

夜明けが近づき、キャッツ・アイたちも切り上げて帰る時間が近づいています。

風に乗って華麗に登場した彼女たちは、幕引きも鮮やかです。

窃盗を完璧にこなすには、余計なことをしたり、予定外のことをしてはいけません。

プラン通りに獲物を手に入れ、そしてすぐにその場を離れること。

終了の合図と共に、三姉妹はきらびやかにそして未練なく身をひるがえします。

ここでぐずぐずとしていたら折角の仕事が台無しです。

仕事の渦中に出くわしてしまった相手には、自分が幻であるかのように思わせて...。

最初からそこにいなかったようにすっと姿を消してしまいます。

その場に残された気配や、香り。

そして、薄っすらと漂う人間の温もりなど、それは全て今夜の幻。

それらの幕引きは、抜かり無くかつ自分で主導権を握っているというところがカッコイイ。

時にはこんな風にさらりと消えてしまいたい。

そんな願いを持つ世の女性たちは、キャッツ・アイのきっぱりとした姿勢になんだか憧れてしまいます。

街の真ん中に古いピアノはあるのでしょうか。

あるとすれば、どこかのお店の片隅にあるピアノ。

または、昔聞いた古いピアノの調べが耳の奥で静かに音を奏でているのかもしれません。

そんな、懐かしい音に風が運ばれ、怪盗たちは闇に紛れるように姿を隠します。

カッコイイけど、表には出せない仕事を繰り返し、彼女たちは独自の信念で動いています。

自分の信念を貫くということは、時に誰かを傷つけたり、悲しませることも。

調和より、信念を選んだ場合、誰かからの愛を諦めることが必然になることがあります。

絶対に欲しいものを、どんな手段を使ってでも手に入れる。

それが例え自分に注がれる真っ直ぐな愛を破り捨てることになっても。

キャッツ・アイの凛としたカッコよさは彼女たちの中にある覚悟から湧き出ています。

仕事を終えた美しき怪盗三姉妹。

彼女たちは、現場を背にどんなことを考えているのでしょうか。