突き刺さる「ナイフ」
孤独さ 俺もそのひとり
傷口いえないまま
Maybe come back 辛いことばかりで
君がいなけりゃ So Cry
出典: シャイニン・オン君が哀しい/作詞:千沢仁 作曲:千沢仁
記憶から消し去ると、決心したはずの主人公。
ですが、失意のなかから立ち直れません。
心には誰も癒すことのできない、「想い出がナイフ」となり突き刺さったままなのです。
それを抜くことができるのは、彼女しかいないといっています。
ともすると、輝いていた彼女の記憶が消え去ることを自ら拒んでいるのかもしれません。
「よりを戻したい」という未練。
「吹っ切ろう」という決意が、心の奥底で交錯しているのです。
自暴自棄に陥る、1歩手前なのでしょう。
男性特有の、未練がましい一面が垣間見える4行の歌詞ではないでしょうか。
誰にでもある場所
シャイニン・オン 想い出の砂浜を
浮かべるたびにまた涙があふれる だから
シャイニン・オン せめて表向きだけ
今も君を忘れはしない
出典: シャイニン・オン君が哀しい/作詞:千沢仁 作曲:千沢仁
2人の輝いていた記憶を呼び起こす、大切な場所に独り佇む主人公。
皆さんも、経験がおありかもしれません。
この場所へ来れば、あの人と会えるかもしれない。
想い出すために、わざわざ訪れることもあるでしょう。
大事な人との「想い出」が詰まった、特別な場所。
立ち止まらず通り過ぎるだけでも、様々な出来事の記憶がよみがえるものです。
主人公もまた、幾度も彼女と訪れた「海」が頭をよぎったのでしょう。
目を閉じると、彼女との「想い出」がフラッシュバックするのです。
「泣いてはいけない」と、懸命にこらえる主人公。
やはり、「吹っ切れない想い」が込められた3行目の歌詞です。
彼女への想いはそのままに、記憶を胸に秘め生きていく決心をします。
いつ戻ってきてもやり直せるよう、心に整理をつけたのでしょう。
「シャイニン・オン君が哀しい」で、誰もが知る1番有名な歌詞の4行。
心なしか、男の女々しさがうかがえるシーンではないでしょうか?
なんともいじらしい情景と思えてなりません。
時がとまったままの主人公...
変わりはじめる心
時計が12時をまわり
静寂(しじま)に埋もれる
外は雪が舞い落ちて
ひととき安らぐけど
出典: シャイニン・オン君が哀しい/作詞:千沢仁 作曲:千沢仁
気づかないうちに日付が変わっています。
きっと彼女も見たであろう、ここからの景色。
ここに座りどれほどの時間が流れ、眺めていたのだろうか。
ひっそりと静まり返る夜空からは、いつのまにか雪が「ふわり」と漂ってきています。
まるで、自分の心境を表しているようだと重ね合わせているのです。
雪を「涙」と、なぞらえているのでしょう。
その光景をしばらく見守る、主人公。
深く凝視していると、どこか胸のつかえが取れ気持ちが落ち着くのかもしれません。
抜けない「ナイフ」
静けさだけがつきささり
なすすべもなく窓を開けて
Maybe come back 凍てつくほどの
君の微笑み So Cry
出典: シャイニン・オン君が哀しい/作詞:千沢仁 作曲:千沢仁
心に「突き刺さったままのナイフ」。
寒さとともに、より痛みを増すのです。
ただただ気持ちだけが熱くなり、頭を冷やそうとしたのでしょうか。
ともすれば、窓の外に彼女の姿が見えたのかもしれません。
存在するはずのない、それは幻影だったのです。
じっとしていられない、心のあり様が伝わってきます。
記憶をたよりに窓ガラスには、薄っすらと彼女の残像が残って焼き付いているのでしょう。
いつも笑っていた、そのやさしかった顔を想い起こしているのです。
消えない記憶...
シャイニン・オン
君のおもかげだけが シャイニン・オン
忘れられなくて シャイニン・オン...
出典: シャイニン・オン君が哀しい/作詞:千沢仁 作曲:千沢仁