歌詞解釈(2番)
自分が嫌いなヒーロー
見て見ぬフリでやり過ごしてたこと
適当な嘘で誤魔化してたこと
ヒーローと呼ぶには情けないけど
もう二度と もう二度と
君を一人にしないように
出典: 英雄の歌/作詞:オーイシマサヨシ 作曲:オーイシマサヨシ
面倒ごとに巻き込まれないように、臭いものには蓋をする。
誰かに嫌悪されないように、その場限りの言葉を発する。
どちらも自分を守るために。
誰しも一度は経験があるのではないでしょうか。
それはヒーローも例外なく同じなのです。
彼らも個人思考を持った人間。
時には間違いも犯してしまいます。
そんな自分が許せなくなってしまったのでしょう。
「自分に誰かを守る資格はあるのか」。
何度も自問自答したに違いありません。
しかしそんな中で一つの誓いを立てます。
「君だけは守り抜く」。
もう二度と悲しい思いはさせないと。
壊されていく運命
幾千の五線譜を書き換えて
君をほら助けに来たのさ
出典: 英雄の歌/作詞:オーイシマサヨシ 作曲:オーイシマサヨシ
五線譜とは記譜者が想像する音の繋がりを共通のルールに則しデータにまとめたもの。
演奏者はこれをもとに自らの感性で解釈し表現していきます。
音楽に詳しくない方でも一度は見たことがあるでしょう。
ここでの重要な要素は演奏前に事前に用意しておくものであるということ。
言い換えるとあらかじめ決まっているものとして縮小解釈できます。
つまりここでは運命のメタファーとして機能しているのでしょう。
数多の運命を変えてでも君を助けたいという強い思い。
アーティストならではの素敵な表現ですね。
嘘つきの理解者
たとえ世界中をまたにかけて
君が大ウソをついても
バカみたいに君を見守っているから
そうやって 「大丈夫 」って言うわりには
大丈夫じゃないことくらい
僕だけはちゃんと気づいてる
出典: 英雄の歌/作詞:オーイシマサヨシ 作曲:オーイシマサヨシ
ストレートな言葉が心に刺さりますね。
オーイシ氏は感情を揺さぶる表現がとても上手です。
君の閉ざされた心をこじ開けるのではなくそっと見守る。
なかなかできることではありません。
これができるのは真に相手を理解しているから。
周りを騙してしまうこともあったでしょう。
差し伸べられた手を拒むこともあったのでしょう。
そんなどうしようもない君でも優しく受け止めるのです。
私たちも過ちを許せる人間になっていきたいものですね。
もう一度信じる勇気
ほら もう泣かないで
ほら この手を繋いで
ほら 共に戦って もう一度
ほら もう泣かないで
ほら この手を繋いで
ほら 共に戦って もう一度
ほら もう泣かないで
ほら この手を繋いで
出典: 英雄の歌/作詞:オーイシマサヨシ 作曲:オーイシマサヨシ
ラストに繰り返される言葉の数々。
意識の中に反芻されているようにも捉えられます。
しかしそれは走馬灯なのでしょうか。
いえ現実に起こっていることなのです。
君を助けるために何度も何度も近づきます。
その身がボロボロになりながらも。
その姿を見て君はようやく心を開いていきます。
そしてついに差し伸べられたその手を君はついに握る決意をしました。
いろいろあって大変だったけれどもう一度だけ信じてみようと。
君はこれから先にどんなに辛いことがあっても乗り越えられるでしょう。
世界を敵に回してでも味方でいてくれる英雄となら。