世界の終わりの風景
世界の終わりは そこで待ってると
思い出したよに 君は笑い出す
赤みのかかった 月が昇るとき
それで最後だと 僕は聞かされる
出典: 世界の終わり/作詞:チバユウスケ 作曲:ミッシェル・ガン・エレファント
君は笑いながら予言するのです。「世界はもうすぐ終わる。」
そしてこのサビに描かれるのは世界の終わりの風景。
メロディーや曲調からは想像もつかないほど不吉で虚無的な世界観です。
崩れていく
ちょっとゆるやかに だいぶやわらかに
かなり確実に 違ってゆくだろう
崩れてゆくのが わかってたんだろ
どこか変だなと 思ってたんだろ
出典: 世界の終わり/作詞:チバユウスケ 作曲:ミッシェル・ガン・エレファント
「ゆるやか」「やわらか」と言葉のリズムが心地いいですよね。
でも歌われているのは何かの崩壊。それはいったい何なんだろうと、僕たちに想像させます。
君と僕の関係?君の予言?それとも世界そのもの?
いったい何が崩れつつあるのでしょう。語りかけられた言葉は、君に向けられたものか、それとも自分自身か。
解釈の余地を残しています。
君は世界の終わりを待っている
世界の終わりが そこで見てるよと
紅茶飲み干して 君は静かに待つ
パンを焼きながら 待ち焦がれてる
やってくる時を 待ち焦がれてる
出典: 世界の終わり/作詞:チバユウスケ 作曲:ミッシェル・ガン・エレファント
君は世界が終わって欲しいのです。いつ世界が終わるのか知りたいのです。
その姿はキリスト亡き後、世界の終末と彼の復活を願い続けた信者たちに被ります。
いつになったら主は復活され、この苦しみに満ちた世界は終わるのか。
キリスト教徒にとって「世界の終わり」とは、キリストが復活して永遠の生命を与えられる救いの時でした。
では君にとって「世界の終わり」はどういう意味を持っているのでしょうか…。
それを考え始めると、ますますこの曲の世界に引き込まれていきます。
冒頭の歌詞を再解釈
お互いに狂っていると言い合う君と僕。「悪いのは全部君だと思っていた」けど今は違います。
僕らから見ても狂っているのは明らかに君の方ですよね。どうして考えが変わったのでしょう。
本当に世界が終わった?
そういう考え方もできますよね。この曲は世界が終わった後に、過去を振り返る歌なのかもしれません。
壮大なテーマと小さな世界
一見すると世界が終わるという大事件を歌詞にしているように見えます。
ですが、そもそも登場人物は自分自身と君だけ、実際に何が起こったかよりも君の姿や言葉に焦点が当てられています。
だとすれば、これは君と僕という小さな小さな世界での出来事なのです。