笑っていよう
今さら立ち止まれぬ僕らの日常上
未知上等!
あの日君と壁に描いた
未完成を 不完全を
「今さら何処へも行けないぜ」って
あぁ、そうかいねぇ!
あぁ、そうかいねぇ!
なら大人になんかなっちゃいけないねぇ

出典: オーバーシーズ・ハイウェイ/作詞:ウォルピスカーター・Orangestar 作曲:Orangestar

比較的短いこの楽曲で一番のハイライトになるパートです。

”未知上等”という挑発的な言葉のインパクトが気持ちよさすら感じさせます。

普段のしがらみや常識を捨てて走り出したら、もう立ち止まれない。

ツライことがあっても笑っていよう、未知なものへ飛び込んでいく姿が目に浮かびます。

いつか思い描いた荒唐無稽で未完成で不完全な夢や希望。

それを諦めたような目で否定する大人なら、そんな大人にはなってはいけないと歌います。

やってもいないのに、できないとか、ダメだとか言われたら反発したくなるもの。

できない理由を並べるよりも、できる可能性に一歩踏み出してみる、そこには希望しかありません。

また、七〜八行目で繰り返す言葉にも含みがあるように思います。

未知の世界に踏み出すワクワクを邪魔する大人たちを、”そんなもんかね”とあしらう少年・少女たち。

さらに、そんな様子を”爽快だね”だと皮肉るような、ダブルミーニングじゃないかと思います。

歳を重ね諦める大人になることほど、つまらないことはないと訴えているのではないでしょうか。

いましかない瞬間

この先の空だって同じように
明日に焦がれ また海を灯す
誰も知らない“生”
夏よりもっと儚いもの
幸せだなんて歌えるように

出典: オーバーシーズ・ハイウェイ/作詞:ウォルピスカーター・Orangestar 作曲:Orangestar

毎日は同じように繰り返すし、同じように見えます。

けれど、同じ毎日は一つとしてなくて、いましかない瞬間の連続です。

あなたが今日という日が初めてなように、お父さんお母さんも初めてなのです。

あんなにワクワクする夏が終わるように、それ以上に一瞬で消えてしまうものもあります。

「人」の「夢」と書いて「儚い」とは、なんて情緒的な言葉でしょうか。

いまその瞬間に見たり聞いたりしに行かないと、もう経験できないかもしれない。

あの日あの時、あの景色を見られて幸せだったと思える経験をたくさんしたいものです。

忘れちゃいけないワクワクと冒険心

僕らここで終われないよ
先は知らぬハイウェイ
夏が終わっても醒めない魔法

出典: オーバーシーズ・ハイウェイ/作詞:ウォルピスカーター・Orangestar 作曲:Orangestar

誰もがいつまでも少年・少女のままではいられません。

時間は止まらないし、確実に歳を重ね心も身体も大人になっていきます。

だけど、少年・少女の時代が終わったからといって、ワクワクと冒険心を忘れちゃいけない

”先は知らぬハイウェイ”とは、きっと人生のことでしょう。

いつ終わるかなんて誰もわからない人生、大人になっても少年・少女の心を持ち続けたい。

そんな決心、もしくは願いのような気持ちを”醒めない魔法”と表現しているように思います。

やらないで後悔するなら、やって後悔する方がずっと良いです。

大人になっちゃいけない理由

それは、いろんなことに可能性を感じてワクワクする心を忘れてしまうからだと思います。

例えば、アイドルになりたい!という少女がいたとします。

その思いを知った”大人”は、頭ごなしに否定することがあります。

「大変だよ」「そんなの無理だよ」「バカなこと言わないで」といった感じで。

たぶん似たような経験がある方もいるのではないでしょうか。

この歌で伝えたかったのは、やりもしないで諦めるような”大人”なんてつまらない、だと思います。

逆に、そんな少女に「いいじゃん!やってみなよ!」と言える大人になりたいのではないでしょうか。

向き合うのではなく、隣に立って同じ景色を見ようとしてくれる大人

そんな大人に一人でも出会えたら、少年・少女はもっと輝くことができます。

やりたいと思った時が”その時”

この楽曲から滲み出ているのは、何かに挑戦する気持ちとワクワクは尊いということです。

何かやりたいと思った時に、できない理由を探して諦めるのは寂しいし、つまらないものです。

やりたいと思った時が”その時”、いくつになっても少年・少女の心で挑戦する。

簡単なことではないけれど、そうありたいという願いと希望を、この歌が教えてくれている気がします。

夏がやってきた時のワクワクとザワザワする胸の高鳴りを忘れないために。

紙芝居のように楽しいMV

首に麦わら帽子を引っ掛けサングラスをかけた少年がワクワクした表情で登場するMVが楽しいです。

まるで立体的な紙芝居のように、海の中から空まで疾走していきます。

夏の日差しのようにすべてがビビットで色鮮やかに、そして優しく輝いています。

わずか2分33秒の短いMVですが、ひと夏を駆け抜けたような爽快感に浸れます。

ウォルピスカーターのハイトーンボイスとともにMVも必見です。