ここの歌詞は、主人公が日々頭を悩ませていることの一部でしょうか。
こんな風に生きたい。
こんな自分になりたい。
いくらそう願ってみても、今日も昨日と変わらないまま終わっていきます。
つまらないと感じるほど、気分は暗くなっていく。
楽しいことなんて何もない。
そう思っていた主人公のことを、運命の出会いが変えてくれました。
今の主人公は、胸に抱いた願いに対して、とてもひたむきな姿勢であることがうかがえます。
ようやく未来に向かって走り始めた主人公。
向かう先にはきっと、運命の相手が待っていることでしょう。
この香りを知っている
見覚えのある香りだから
きっと君にたどり着いたんだろうな
そうだ、そう思わせて
身に覚えのないこの気持ち
新しく始まる高鳴り
ああこれは 出会いやろか?
出典: へんてこ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
サビの歌詞で歌われているのは、出会ったときに感じた香りと、君との未来に対するほのかな期待。
香りのことを、「見覚えのある」と表現するところが素敵ですね。
まるで君の纏っている香りが色や形を持って、主人公の前に現れているみたい。
この香りを知っている。
だから、君と出会えた。
この出会いは必然だったと、主人公は考えているようです。
君とは初めて会った気がしない。
だけど、今のこの気持ちは初めて感じるもの。
止まっていた心臓が、君と出会って動き出した。
主人公が「恋」と言わずに「出会い」と言ったのは、初めて感じる気持ちに戸惑っているからなのかもしれません。
消えない後悔
2番の歌詞では、主人公の過去の恋について触れられています。
主人公の後悔に、きっと胸が切なくなることでしょう。
「アレ」とは何か?
引きこもり僕の籠の中は
あの日の涙とアレを丸めこんだ
白い青春と思い出
出典: へんてこ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
この歌詞の中にある「籠」とは、ゴミ箱のような役割を担っているのかもしれません。
ゴミ箱にゴミが溜まっていくように、主人公の胸の中は流した涙でいっぱいになっていたはずです。
では、「アレ」とはいったい何か?
いろいろな解釈をすることができそうですが、1つは欲望でしょう。
大切な人には見せることができなかった、自分の欲望。
主人公はそれをぶつけることができないまま、自分の欲望をゴミ箱に捨ててしまった様子です。
まだ幼くて、未熟だった日々。
愛しい人を傷つけてしまったこともあるかもしれません。
そう考えると、「アレ」は主人公の後悔であると解釈することもできそうですね。
終わってしまった恋
飲み込んでほしかったんだ
平気なフリで笑っていたかった
もしも側にいたなら
出典: へんてこ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
自分のすべてを受け入れてほしかった。
失恋したとき、主人公はようやく自分の本当の気持ちに気づいたのかもしれません。
自分のダメなところ、相手の嫌なところ。それらが露わになっても、お互いに笑っていられたら良かったのに。
今はいない相手に向かって、主人公の本心が綴られています。
自分を偽らず、だけど許しあえるだけの寛容さを互いに持っていたら……。
そんな風に後悔したこともあったでしょう。
この切ない失恋を経験したからこそ、主人公は君との出会いに運命を感じたのかもしれません。
へんてこな恋
まだ恋だと確信の持てない、主人公の淡い想い。
しかし運命の出会いは、確実に主人公の未来を明るく照らしてくれるはずです。
拒絶する日々は終わり
生活を保護して病原体
近づけない 傷をつけさせない
ただもう 僕はこの通りさ
出典: へんてこ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
これ以上は傷つきたくない。
そんな思いで、主人公は周囲の人々のことを拒絶していたのかもしれません。
しかし、そんな日々ももう終わり。
いくら他人を拒絶していても、出会いは不意に訪れます。
主人公のもとに現れた君は、きっと傷を負っても関わりあいたい相手だったのでしょう。