earth music&ecology 2020春TVCMソングで書き下ろした楽曲

絢香さんが作詞作曲した「道しるべ」は、「earth music&ecology」のCM用に書き下ろされた楽曲です。

「earth music&ecology」は若者を中心に人気があるエシカルファッションを中心とする洋服ブランド。

エシカルとは、人や社会、地球環境や自然、地域などが持つ権利を尊重する道徳的・倫理的という意味。

洋服の元となるコットン一つにしても、環境に配慮したものを使用していこうという考えを意味しているでしょう。

絢香さんはこの曲を作成したときのことを下記のように語っています。

新しく育まれていく命と、ブランドメッセージのエシカル。
この2つのテーマを融合させて、1つの世界観を創れたらと思いペンを取りました。

出典: https://room-ayaka.jp/news/detail.php

道しるべ」は、新しい洋服新しい命に対する思いを「エシカル」でつなげています。

これから生み出されていく新しい洋服が、人間や植物、環境が持つ権利を脅かさないものでありますように。

同じようにママのお腹の中から生まれてくる新しい命も、しっかり守られるものでありますように。

といった絢香さんの願いが込められているのです。

生まれたばかりの赤ちゃん

うまれ落ちたその場所で
ウブな瞳 憂いを帯びる
あぁ 未来を待つ景色
おなじ?
あなたの歩く道に
お願い

出典: 道しるべ/作詞:絢香 作曲:絢香

この曲の中において、赤ちゃんは生まれてくる前にを見ています。

ママのお腹の中で、生まれたらきっとこのような世界が広がっているのだろうという想像をしています。

どんなことをして、どのような人生を送るのかと期待で胸を膨らませているでしょう。

そして、ママのお腹から外に出てきた赤ちゃん。

その瞳はとても初々しくたどたどしいことでしょう。

そして次の瞬間には大声をあげて泣き出してしまうのです。

その初めて聞く泣き声は、歓喜の声に聞こえるような、でも憂鬱な気持ちからくる声のようも聞こえるでしょう。

その時、この歌詞の作者である絢香さんは赤ちゃんに問うのです。

生まれる前に思い描いていた未来と、実際に見た未来は同じだった?と。

どうか、同じであって欲しいと願わずにいられないという絢香さんの熱い思いが伝わってきます。

お腹の中で夢見る幸せな人生

ママのお腹の中で思い描いていた人生

うまれ落ちる前はただ
ママの声が 聞きたくて
あぁ 夢に見た景色に
ゆれて

出典: 道しるべ/作詞:絢香 作曲:絢香

ここでは、赤ちゃんが生まれる前の、ママのお腹にいた時の様子を表現しています。

お腹の中にいる十か月と十日間は、早くママに会いたい、ママの声をこの耳で直接聞きたいとばかり願っていたでしょう。

そしてママのお腹の中でゆらゆら揺れながら、外に出た先に広がる自分自身の人生に夢を馳せていたのですね。

死ぬことは生きること

還る場所の夢を見た

出典: 道しるべ/作詞:絢香 作曲:絢香

ここの歌詞において漢字は「帰る」ではなく「還る」です。

「還る」は本来の場所に戻る、土へ還る、自然に還るといった意味で使いますよね。

つまりここでの「還る」は人間が死ぬことを意味しているように思います。

まだ生まれてもいない赤ちゃんの様子を歌詞にしていたと思ったら、次に死ぬときの話が出てくる。

ちょっとびっくりしてしまう展開のようにも感じますね。

しかしここでは人間の死そのものではなく、生まれてから死ぬまでに歩む「人生」を差しているでしょう。

人生で大切なのはどのように死を迎えるか