誰かを追放することで世間は正しくなった気持ちになっている
あの蒼いふりした綺麗事で
誰かいなくなって
世は蒼くなったつもりになった
出典: イメージセンリャク/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
色彩士の筆者からすると、蒼色となると漢字の成り立ち通り蔵の屋根に干した青草を使っていたことから少し暗い青緑色を連想します。
しかし、ここでは劇中で深い青色のドレスを着て踊っているシーンがあるように、深い青のイメージなのでしょう。
蒼天や蒼海という言葉があることからも青の代わりに使われることが最近は多いですよね。
この青色こそ、川谷さんがイメージする清純派のイメージカラーなのでしょう。
自分では「綺麗事」だと思っていても世間が好感を抱くような発言を繰り返して行けばイメージは上がる。
ただ、結局それは簡単に崩れてしまう。
そうやって綺麗じゃなくなった「誰か」は叩かれていなくなって、追放に成功した世間は自分が綺麗になった「つもり」になっている。
そんな痛烈な批判が聞こえてくるような歌詞ですね。
「イメージセンリャク」は秘密道具のように
秘密道具
イメージセンリャク
瞬く間にに
好感度上昇中
誰かが今禁断の果実を
手に取って頬張っています
でも嫌だな
出典: イメージセンリャク/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
「イメージセンリャク」は某国民的アニメの「秘密道具」のように手の届かないような夢を簡単に叶えてくれる。
今まで考えもしなかったような舞台へ自分を連れていってくれたり、空を飛ぶくらいありえないと思っていたような仕事ができるようになったり。
しかし、「秘密道具」で叶えた夢はすぐに消え去ってしまうように、「イメージセンリャク」で叶えた夢も儚いもの。
禁断の果実を手に取っている「誰か」とは、表には出ないため矢面に立つ事はないながらも、誰かの成功によって甘い汁を啜っている大人のことでしょう。
芸能界の裏で動く大きな影の存在を感じずにはいられませんね。
暗闇の中で必死で作り出したイメージをあなたに責めることができる?
彼女はそう深い闇の中でずっと
イメージをイメージで作り上げた
多分ずっと
あの蒼いふりした綺麗事で
誰かいなくなって
世は蒼くなったつもりになっていく
さよならと言えなかった
幸せには出来なかった
後悔はまたイメージになって
裏返る今日も
出典: イメージセンリャク/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
前の歌詞の解釈で矢面に立つ事はない人間を「誰か」と表現しましたが、その矢面に立たされるのがこの歌詞の「彼女」ですね。
何もない真っ暗な闇の中で手探りでイメージを作り上げたものの、それは簡単に暴かれて。
「さよならと言えなかった 幸せには出来なかった」という最後の歌詞のワードは、川谷さん自身の一連の騒動への想いかもしれません。
そう考えると、この曲に出てくる「彼女」とは...。
そんな深読みをしてしまいますね。
自分の中にはとにかく「後悔」しか残っていない悲しい失恋でも、それが新たなイメージとなって裏返り、テレビに出ている自分自身。
この社会を批判する中に、自分自身を責める気持ちも隠されているような印象を受けますね。
芸能界のことでありながら、誰しもに起こり得ること。
例えば、就職活動では自分のいい部分を上手く出せた人も、働き始めてそのイメージと違う部分が露呈してしまったら上司からの評価は変わるかもしれませんよね。
SNSが発達する中で気づかないうちに「イメージセンリャク」の力が増大しているこの社会について考えさせられる歌詞でした。
「イメージセンリャク」のコード譜を掲載!
Aメロ
Gm7onF/Em7-5
議員陥落で幽体離脱 ペンを折りに悪霊が浮遊するって
Gm7onF/Em7-5
何の映画だっけ いやこれ俺の理想映像 リベンジリベンジ
Gm7onF/Em7-5
最高潮に達したと思った吊るし上げは 今日も記録更新中です
Gm7onF/Em7-5
関係ない奴はみんな笑顔で 幸せ景気も上昇中です
出典: イメージセンリャク/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
Bメロ
Gm7onF Em7-5 Gm7onF Em7-5
大事なのは本当の自分じゃない 本当に大事なのはイメージ
Gm7onF Em7-5 Gm7onF Em7-5
作り笑顔で淡々と仕事して 出来なくてもイメージで十分さ
出典: イメージセンリャク/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
Cメロ
E♭M7/FonE♭/GmonD/Gsus4onD
嫌だな...
E♭M7/FonE♭/GmonD/Gsus4onD
嫌だな...
出典: イメージセンリャク/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音