Nobelbright「拝啓、親愛なる君へ」を解説
2013年に結成されたNobelbright(ノーベルブライト)ですが、5人体制に落ち着いたのは2019年1月でした。
「拝啓、親愛なる君へ」は5人になってから初めて作られた曲です。
そのうちミニアルバム「EN.」(アンピリオド)に収録されているのはバンド編成バージョン。
そしてEP「AcoBright 1」には路上ライブ時代と同じアコースティック編成のバージョンが収録されています。
公式YouTubeチャンネルにアップされているMVはバンド演奏のほうです。
この映像を見ると、誰かが誰かに宛てて手紙を送るシーンが出てきます。
タイトルにも登場する「君」とは誰のことを表しているのでしょうか。
その点も含め、この曲の歌詞の意味を紐解きます。
1番の歌詞をチェック
手紙のような曲
拝啓、親愛なる君へ
この歌をあなたに贈るよ
生まれた日から歩いた
今日までの道のり
ときめかす話をしよう
出典: 拝啓、親愛なる君へ/作詞:竹中雄大 作曲:竹中雄大・沖聡次郎
MVでも描かれていたとおり、この曲そのものが誰かに宛てた手紙仕立てになっています。
そのためタイトルも歌詞の1行目も、まるで手紙の前文のようです。
手紙の送り主は、この曲の主人公。
歌物語としての設定が考えられます。
あるいは作詞作曲ボーカルを担当する竹中雄大さん自身の思いが綴られていると解釈することも可能です。
まるで手紙のようにこの曲をプレゼントするという話になっているので、まずは竹中さん自身が想像されます。
そしてこの曲の中で自分の過去を振り返り、ドキドキするような物語を展開すると宣言。
どのような内容になっているのか、期待が高まります。
遭遇したのは誰?
愛想を振りまくのが苦手な私は
うまく馴染めないまま
時間(とき)は過ぎていく
居場所を求めて踏み出した一歩目
そんな時にあなたと出逢えた
出典: 拝啓、親愛なる君へ/作詞:竹中雄大 作曲:竹中雄大・沖聡次郎
どうやらこの曲の主人公は誰とでも仲良くなれるタイプではなさそうです。
どのような場でも気後れしないというハートの強い方もいます。
ただ、まわりに溶け込めないといった孤独感は、多かれ少なかれ誰しも経験があるものではないでしょうか。
そんなときに気の合う人と遭遇できたら、ものすごく心強いですね。
この曲でもその状態が想像されます。
とくにバンドはチームプレイです。
音楽性も、人間関係におけるコミュニケーション能力も求められます。
恐らく竹中さん自身が音楽を始めてから感じてきたことについて語っているのでは?と解釈してみました。
バンドが5人体制になって初めて制作された、この曲。
竹中さんが遭遇したのは、他の4人のメンバーということになりそうです。
サビをチェック!
辿り着いた仲間
嗚呼 特別な日は
此処に居たいから
代わりなんかない宝物なんだ
醒めない夢を見ているようだな
恥じらいもなく素でいられる場所
やっと見つけたよ
出典: 拝啓、親愛なる君へ/作詞:竹中雄大 作曲:竹中雄大・沖聡次郎
5人体制となったNovelbrightですが、結成時のメンバーは竹中さんだけ。
つまりボーカル以外のパートのメンバーは交代劇があったことになります。
まるで手紙のようなこの曲の主人公を等身大の竹中さんと捉えるならば、他の4人のメンバーとようやく遭遇。
路上であれ、ライブハウスであれ、とにかくステージに立って音楽を奏でたいという話になります。
この5人で一緒にいると、自分らしい曲を歌うことができるようです。
そんなメンバーこそが大切な存在。
ライブという晴れの舞台を共有すべきかけがえのない仲間と解釈できます。
君とは誰のこと?
この曲の主人公を竹中さんと仮定すると、タイトルにもなっている手紙の送り主は他のメンバー4人です。
ただその場合でも、ライブは観客がいないと成り立ちません。
とくにこの曲は路上ライブでもよく演奏されていました。
そのため竹中さんを含めたメンバー5人から、ファンの皆さんへ向けたメッセージと考えることもできます。
またこの曲のMVを見るとお母さんから息子へ、彼女から彼氏へ、手紙を送るシーンもありました。
他にも様々な人間関係が描かれていたところも注目すべきポイントです。
竹中さん自身がこの曲で素直に自分を表現することによって、まわりの大切な人すべてに愛が伝わります。
この曲を聴く方は、竹中さんがファンのために歌ってくれていると解釈することもできるわけです。
さらにタイトルに含まれる「君」を家族や友だち、恋人、同僚など、まわりの大切な人に置き換えることも可能。
そんな幅広い歌詞になっています。