あぁ 夜には消えてしまうの
恋によく似たアサガオの散る頃に
出典: アサガオの散る頃に/作詞:じっぷす 作曲:じっぷす
君との楽しい夕方の時間は無情にも終わってしまいます。
また明日になり夕方になれば楽しい時間は来るのですが、君と少しでも長くいたい主人公にはもどかしいようです。
君にとっては友達という気持ちしかないので、別れ際もあっさりとしているのでしょう。
そしてその相手と自分の温度差を感じるたびに心は切なくなります。
切ない気持ち
胸の奥が痛い 痛いよ
こんなにも距離を感じているの
出典: アサガオの散る頃に/作詞:じっぷす 作曲:じっぷす
君との距離をもっと縮めたい主人公。
自分との認識の違いを感じるたびに、相手がこれ以上関係を縮めようとしていないのが分かります。
自分の気持ちだけを押し付けると今の関係は壊れてしまう。
これ以上関係が遠くなるのは心が張り裂けるほど怖いことでしょう。
それでも自分の気持ちは伝えないと相手には分からないという意見も。
そんな相反する意見が主人公の頭の中ではグルグルと巡っているのかもしれません。
もっと深い関係になりたいけれど、それを相手に伝えたら離れてしまうかもしれない。
ジレンマが主人公に容赦なく襲い掛かります。
葛藤
ねぇ 愛は哀で それは土用波のように
僕の声を揺らしてた
出典: アサガオの散る頃に/作詞:じっぷす 作曲:じっぷす
愛情と哀しい気持ち。
この部分だけで主人公の今の気持ちが簡潔に表現されています。
君と会えた時の嬉しさや見かけるたびに好きだという気持ち。
しかしその気持ちが報われることがないと思っている主人公は行動に出せず悶々としてしまいます。
そのモヤモヤした気持ちは大きくなり、君と会えない時間が切なく悲しい時間に変わってしまう。
そんな正反対のような感情が交代で主人公にやってきます。
土用波
出典: アサガオの散る頃に/作詞:じっぷす 作曲:じっぷす
「土用は丑の日」という言葉を知っている方は多いのではないでしょうか。
よくウナギを食べる日です。
上記の言葉はこの土用の時期に起こる高くて大きな波という意味があります。
君に対する切ない気持ちと、好きという気持ちが大きな波のように押し寄せてくる。
主人公はそれぐらい相手のことを想い悩んでいるということが分かります。
行動できない
海を抱く夏鳥が再び南へ
飛び去るのを見てることしか出来ない
あぁ 季節は移りゆくもの
出典: アサガオの散る頃に/作詞:じっぷす 作曲:じっぷす
歌詞1行目をみると夏も終わり、そろそろ季節が変わろうとしていることが分かります。
ツバメやカッコウなど夏の時期に繁殖して秋頃に日本から離れてしまう鳥たち。
離れていく様を主人公は引き止めずにただ見送るだけです。
鳥であれば引き止めるのは良くありませんが、主人公の想い人を鳥として例えているのであれば…。
夏の時期にしか会えない君、というのも主人公が中々想いを伝えることができない原因の1つかもしれません。
別れ
夏が終わる前に綺麗な空へと
暮れた哀しみを投げ捨ててしまおう
あぁ 夜には深い涼風が
涙をくれたアサガオの散る頃に
出典: アサガオの散る頃に/作詞:じっぷす 作曲:じっぷす
おそらく主人公は何度も君と夏を過ごしていたのでしょう。
限定的にしか会えない君に恋心を抱くほど関係は良かったのですから。
それでも1年のうちの4分の1しか会えない君に想いを伝えるのは酷なことです。
もし主人公が気持ちを伝えて結ばれたとしたら、会えない時のもどかしい気持ちを相手にも共有してしまいます。
圧倒的に切なさやもどかしさを感じる時間の方が多いでしょう。
そんな気持ちにさせるくらいであれば。
主人公の決意に満ちたような気持ちが歌詞の2行目に表現されています。
大好きなツバメを引き留めて命の危機に晒してしまうくらいであれば、笑顔で見送ってあげよう。
歌詞の例えを使用すればこのようなニュアンスなのかもしれません。
お別れの時はいつも寂しいものです。
主人公と君も同じ夏を過ごした分だけお別れの時間も過ごしています。
それでも今回のお別れは主人公にとっていつもより辛いものでした。