夜の海に光を灯す青い夜光虫
旅人が辿り行く道しるべなのか
薄明かり
這いつくばっても行かなくちゃ
出典: うたかた/作詞:岡野昭仁 作曲:ak.homma
夜光虫とは、海洋性のプランクトンです。
大量発生した時物理的な刺激が加わると青く発光します。
それが主人公にはあの人への道を示してくれているように思えているのです。
暗闇に差し込んだ一筋の光。
愛しいあの人の元へどんなことをしても行く決意を固めます。
なんともロマンチックな描写です。
夜光虫がとり持つ2人の恋。
となってくれれば良いのですが…。
あの人の元へ向かう主人公
あなたまではひどく遠い
だけど足を止められない
道の途中は目に映らない
辿り着いた先にあなた
あなただけを捉えられたら
出典: うたかた/作詞:岡野昭仁 作曲:ak.homma
あの人の元に行くまではとても遠い道のりのよう。
それは物理的な面もあるでしょうし、精神的な面もあるのでしょう。
あの人との心の距離は、確かにそこまで近くはなさそう。
どういう経緯で知り合った2人なのかは描写されていませんが、恐らく面識はありそうな感じです。
どんなに遠くてもあの人に向かう歩みを止めることはできません。
途中の道のりは全く目に入らないほど、夢中になっています。
あの人のことしか考えていないのです。
いわゆる本気、ということでしょう。
その想いをついに、ぶつける時が来ました。
気なるのはあの人の気持ちです。
果たして結果はどうなるのでしょうか?
主人公は遠い道のりを経て、あの人との恋を実らせることができるのか目が離せません。
想いを空に放つ
数多幾千うたかたと消えた想いを
空へと放って燦々と浴びてみようか
出典: うたかた/作詞:岡野昭仁 作曲:ak.homma
恋をしているとその瞬間瞬間であの人への想いが心に浮かびます。
一緒に過ごした思い出や笑顔、楽しかった時間などが浮かんでは消え…。
好きという想いが募ることもあるでしょう。
会いたくて仕方ない時もあるはずです。
そんな浮かんでは消えて行くたくさんの想いを、空へと放つといっています。
ということは玉砕でしょうか?
主人公は振られてしまったのかも。
あれだけ想っていたので成就して欲しかったですが、結果は残念なことに。
何がいけなかったのでしょう。
理由は様々考えられますが、悲しいかな実らなかったという事実だけは変わりません。
静かに過ごしたい主人公
こんな気持ちを知っただけでも
幸せだと言えるのだろう
胸は爛れ締め付けられても
どうか恋を咎めないで
せめてしんと眠りに就かせて
出典: うたかた/作詞:岡野昭仁 作曲:ak.homma
結果は残念でしたが、健気にも真剣な恋心を知ることができて幸せだと思おうとしています。
胸は痛くて仕方がないでしょう。
失恋したら誰だって、しばらくは立ち直れません。
前向きに考えようとしてもどうしても、自分を責めてしまいがちになります。
でも恋をした自分を咎めてはいけません。
辛い経験は後から絶対に役に立つ時が来るはずです。
失恋したことで人間性に磨きがかかり、素敵な恋人が見つかることもあります。
一度失敗したくらいで諦めてはいけません。
でも心が癒えるまでしばらくの間は、ゆっくり静かに過ごすと良いでしょう。
主人公も静かに眠らせて欲しいと懇願しています。
結果は残念でしたがあの人へ想いを伝えたことである意味満足感もあるのではないでしょうか。
やってみたことの後悔は確かに、あるかもしれません。
ですがずっと想いを胸に秘めているよりはましでしょう。
主人公の勇気はすごいものがあります。
心の傷が癒えたらきっと、立ち上がってまた新たな恋をするのでしょう。
まとめ
タイトルからして儚い
曲のタイトル「うたかた」。
水面に浮かぶ泡を指します。
つまりとても脆くて儚いものだということ。
曲中に登場する蜉蝣も儚いですが、泡も負けなくくらいに儚い存在です。
この歌は恋の儚さを表現していますが、タイトルからして儚かったということ。
これでもか!というくらいに強調しています。
確かに実らない恋は儚いもの。
だからといって臆病になってしまうのももったいありません。
失恋は辛いですがそれと同時に楽しいこともたくさんあります。
積極的に楽しんで行くと人生が彩り豊かなものとなるでしょう。