世間に拒絶され
世間の風の冷たさに
こみあげる涙
出典: 昭和枯れすゝき/作詞:山田孝雄 作曲:むつひろし
終盤の盛り上がりの部分。
男女は、励まし合いながらも、世間の“冷たさ”が身に沁みています。
自身が抱えている事情を隠そうとしても、知らず識らずのうちに広まる噂話。
多額の借金を背負っていることが近所や職場で周知の事実となった時。
冷ややかな目を向けられ、ないがしろにされます。
噂に尾ひれがつき、事実と異なる話まで流布される…。
直接的に言葉で伝えられずとも、ぎすぎすした雰囲気から状況を察するのでしょう。
どれだけ努力と苦労を重ねても報われない。私たちの居場所は、どこにもない。
やるせない感情がこみ上げてきて、とめどなく“涙”が溢れてくるのではないでしょうか。
歌詞の“風”が男女の様相を際立たせ、孤独感や悲痛な想いをまざまざと表現しているようです。
枯れすすきのように生きる
苦しみに耐える二人は枯れすすき
出典: 昭和枯れすすき/作詞:山田孝雄 作曲:むつひろし
男女は、どれだけ世間で雑に扱われても怒りを露わにしていません。
異論を唱えず、自分たちの処遇を甘んじて受け入れています。
すすきも彼らと同じ。
吹く風に身を任せ、そよいでいます。
地下に堅い茎を張り巡らし、自生しているのです。
一見、華奢な植物に見えるものの、強い生命力を持っています。
枯れても尚、微かに残る精気…。
男女は、ギリギリの局面に立たされながらも、枯れすすきのように耐えていたのでしょう。
【昭和枯れすゝき】を鑑賞する際には、男女の半生と枯れすすきを重ね合わせてみてください。
悲しみに満ちた歌詞を通じて、厳しい世を生き抜く勇気が湧いてくるはずです。
さいごに
【昭和枯れすゝき】は、タイトルの通り、激動の昭和史を象徴する楽曲。
自身の運命と混沌とした世の中に翻弄される男女の姿から、色々なことを考えさせられます。
聴く中、人生における教訓を自然と学べるのではないでしょうか。
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