「銀河鉄道の夜」の歌詞を独自解釈!~③別れ~
北へ北へと…
声 高円寺に消え やがて汽笛は響き
噛むカムチャッカのガム 蒼白く甘い夜
シベリア鉄道乗り換え 東北を目指します
ハロー今君に素晴らしい世界が見えますか
出典: 銀河鉄道の夜/作詞:ミネタカズノブ 作曲:ミネタカズノブ
歌で「鉄道」という言葉が出てくるとなれば、イメージできるものは2つあります。
1つは遠いところにドキドキしながら歩みを進める「冒険」に近いもの。
そしてもう1つは、故郷や愛する人との「別れ(旅立ち)」ではないでしょうか。
日本からロシアへ、北へ北へと目指す主人公は、きっと彼女と離れてしまった境遇なのでしょう。
「ハロー」
4行目の歌詞は先程の幸せなひと時の場面で出てきたものと同じですが、今回は切なさが際立っています。
離れてしまったので相手の現状や表情などが一切分からない。
その目には何が映っているのかな、幸せに過ごしているのかな、愛しさがこみ上げてきます。
日本とロシア、国境をまたいで想いを寄せる彼の挨拶は「ハロー」…どこか他人行儀的に思えませんか?
これまでになかった距離感に戸惑いを覚え、モヤモヤした葛藤と闘っている主人公が想像できます。
これでいいんだろうか、この選択は正しかったのだろうか。
終わらない自問自答が続き、日々が経過していきます。
「銀河鉄道の夜」の歌詞を独自解釈!~④あなたを想う~
ちっぽけな1人の人間の、溢れる愛
銀河鉄道の夜
僕はもう空の向こう飛び立ってしまいたい
あなたを…あなたを…あなたを想いながら
出典: 銀河鉄道の夜/作詞:ミネタカズノブ 作曲:ミネタカズノブ
くしくも、彼女側からみれば主人公のいる方角は北。
夜にそちらの空を見上げれば、いつの日か2人を照らしてくれていたカシオピアが輝いています。
中途半端に北へ行くくらいなら、いっそのこと空を飛び、カシオピアのような星になりたい。
そうすればいつでも彼女に会えるし、照らして守ってあげることもできる。
彼女がそばにいない人生を「生きている」だなんてとても言えない!
願望や欲求と無力さ、理想と現実の狭間で、主人公は彼女への確かな愛の存在を知ります。
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
星めぐりの口笛を吹いて
裸のまま 一人ぼっち 涙も枯れた ああああう!!
出典: 銀河鉄道の夜/作詞:ミネタカズノブ 作曲:ミネタカズノブ