違うタイトルだけど実は同じ曲の異名同曲。(新しい四文字熟語?)
しかも2つが同時進行して大ヒットというとてもレアなケース。
他にはこんな例を見つけました。
「赤い鳥逃げた」は、中森明菜の楽曲。1985年5月1日に12インチシングル、ディスクジャケットとレーベルデザインの異なる2種類でリリースされた。この楽曲は、康珍化が作詞し、松岡直也が作曲と編曲を手掛けた「ミ・アモーレ〔Meu amor é・・・〕」の異名同曲異歌詞曲である。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/赤い鳥逃げた
タイトルは違うけれど同じ曲発見しました。関わっていたのは昭和の歌姫の1人、中森明菜さん。
レコード大賞を受賞した名曲の「ミ・アモーレ」と「赤い鳥逃げた」の歌詞は全く違います。
ここにはこんなエピソードが隠されていました。
最初に完成していた詞は「赤い鳥逃げた」だった。内省的な詞がシングル曲としてはインパクトに欠けるということで新たに書き直した詞が、「ミ・アモーレであった。このままボツになろうとしていた時に発売当時ブームだった12インチシングルとリミックスをリリースしようという話となり、本曲の詞を採用したという。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/赤い鳥逃げた
異名同曲はストレートに世に出ることはありません。どちらも自信作であるからこそ起きる出来事。
オリコンでも1位になるなど「赤い鳥逃げた」もヒット作品。
でもTVの音楽番組で歌われるのは「ミ・アモーレ」、「赤い鳥逃げた」はライブで数回披露される程度でした。
「夢の途中」「セーラー服と機関銃」はホントに稀なケースであることが分かりました。
こちらも違うのはタイトルだけではありません。歌詞の一部が違います。
この2曲は一部歌詞に相違があるが、意図的なものではない。来生えつこによれば、レコーディングのギリギリまで歌詞を書き換える事は茶飯事で、この時はいつにも増して試行錯誤を重ねていたため、受け渡しの最中に手違いがあったとされる。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/来生たかお
自分が選んだ言葉で、作品の良し悪しが決まるのであれば妥協は許されません。
変更は無し、絶対これで完成と思っても小さな一つが気になってまた見直す。
来生えつこさんレベルだからこそ、言葉選びは慎重になります。その結果が2つの歌詞を作りました。
歌詞の違いを見てみます。
消えた言葉に未練はありません
「夢の途中」バージョン
さよならは 別れの言葉じゃなくて
再び逢うまでの遠い約束
現在(いま)を嘆いても
胸を 痛めても
ほんの夢の途中
出典: 夢の途中/作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお
タイトルは「夢の途中」ですからもちろん歌詞の中にこの言葉が出てきます。
夢を見ている途中のような浮遊感を歌うのが来生たかおさん。
ここではもう少し浸っていたいけれど、足湯のような温もりから抜け出すことを決めた心を歌います。
「セーラー服と機関銃」バージョン
さよならは 別れの言葉じゃなくて
再び逢うまでの遠い約束
夢のいた場所に 未練残しても
心寒いだけさ
出典: セーラー服と機関銃/作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお
歌い始めから“遠い約束”までは同じ、その後の歌詞が変っています。
或る意味見事に変えられています。
映画のために変えたわけではないと言っていますが、変更箇所をそのままスルーすることは出来ませんね。
「夢の途中」に使われた歌詞はシティポップスの雰囲気があります。「セーラー服と機関銃」は何となく漂う演歌の要素。
ここまで来るのには色々あり過ぎて、逃げ出したいと思ったこともあったのでしょう。
どこかで根性を出さないと、乗り切れないことが山ほどあったと想像します。
それでもリリースに漕ぎ着けました。落ち込んでなんかいられません。
パワーを出すためにはきれいごとだけではなく、泥臭く行くことも必要です。
今回の出来事を踏み台にして、もっと高い所を目指す決意が読み取れます。
やすらぎは瞬間
やっぱり来生たかおさんの声が聴きたくなります。
ステージのセットも衣装も歌う姿もオシャレです。
洗練された声で、来生たかおさんにしか出せない空気感を出しています。
旅立ちの前に
このまま 何時間でも 抱いていたいけど
ただこのまま 冷たい頬を 暖めたいけど
出典: 夢の途中/作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお