いよいよクライマックスになります。

リフレインですので大事な箇所だけ取り上げましょう。

「分かっているわよね、今夜、私はあなたのものになることを

ふたりは色々とするのよ

参考までに 一晩中、私たちは起き続けるの」

歌われるのは肉感的な愛の赤裸々な告白です。

また上述したようにそのまま直喩で解するのではなく、宇多田ヒカルとリスナーとの愛とも理解できます。

リスナーにはこの作品をずっと楽しんで欲しいという願いだとも読み取れるのです。

実際の愛の表現であれ、リスナーとの交流であれ、すべては尊い慈愛の賜物でしょう。

鮮明にしたかったのは慈愛で満ちた世界を描くことです。

愛によって夜を明かすこと。

暗闇に光を灯して愛に生きる女性像。

あけすけな愛の告白は英詩だからこそスマートに受け取れるものです。

「Merry Christmas Mr. Lawrence」を作曲した坂本龍一。

彼はこの曲で西洋も東洋も超えたもうひとつの場所を表現したかったといいます。

宇多田ヒカルキリストの生誕とマントラを両方とも祝福することでこのモチーフを完成させたのです。

彼女が世界を相手に創り出したもの。

この果敢な挑戦はアメリカ合衆国で大きな成功をもたらしました。

アルバム「ディス・イズ・ザ・ワン」は全米ビルボードで最高69位と大健闘します。

オリエンタリズムが評価されたのではないのです。

普遍的なポップスとして支持されました。

日本人アーティストとしてはLoudness以来の快挙をなします。

マントラと「スター・トレック」が同じ曲の中で歌われるオリジナリティ。

宇多田ヒカルのおもちゃ箱的な遊びも全開で表現されています。

Merry Christmas Mr. Lawrence

宇多田ヒカルが西洋と東洋の垣根を超えた金字塔的な楽曲です。

ぜひ夜通しリピートしてみてください。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

OTOKAKEでたどるUtadaの軌跡

愛の復興を願う歌

OTOKAKEに残るUtadaの関連記事をご紹介いたします。

Come Back To Me

忘れられない人へ復縁を願いますが、その思いは叶うでしょうか。

Utada名義での最大のヒット曲です。

渾身の和訳解説記事ですので、ぜひご覧ください。

2009年にUtada名義でシングルカットされた「Come Back To Me」は複雑な恋愛模様を描きながら愛をもう一度得たいと願う歌です。ポップ・ソングとして破格の出来栄えを誇ります。この曲の歌詞を和訳しながら解説いたしましょう。

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