「ki・zu・na」の歌詞をチェック!(1コーラス目)
二つの感情
きっと誰だって いまいる世界を
離れるなんて 勇気はない
でもいつだって
なにかが足りない
そんな矛盾を かかえている
出典: ki・zu・na/作詞:Kenn Kato 作曲:春川仁志
本作で描かれているのは「別れ」のシーン。
主人公が向き合う相手は、大きな目標を手に旅立ちの時を迎えています。
ここで伝えられている「人間が持つ微妙な感情」は若者の特権のようなもの。
それは時として「葛藤」とも表現されます。
「〇〇したい」「でも、〇〇したくない」というような、二つの感情を抱えて悩んでしまった経験は誰にもあるはずです。
これを乗り越え「行動しよう」と決断することが、夢に向かうための第一歩ともいえるのかもしれません。
旅立ちを称える
もしキミが 自分を変える、と
心から誓うのなら
ぼくらには
それを止められない
歩き出してくれ
出典: ki・zu・na/作詞:Kenn Kato 作曲:春川仁志
この相手である「キミ」は、新たな世界に向けて足を踏み出そうとしています。
ここでポイントとなるのが「ぼくら」という言葉。
「キミ」はこの主人公にとって仲間であり、大切な存在です。
きっと共に喜びを分かち合い、かけがえのない時間を過ごしてきたのでしょう。
そんな仲間から告げられた決意を、この主人公はどんな気持ちで受け止めたのでしょうか。
歌詞冒頭で伝えられていた「誰もが抱えている矛盾」は、「ぼくら」にとって共通の感情であり、語り手である彼にもあるものです。
ここでの主人公はきっと、「自分を変える」と伝えるこの相手に自分を投影しているのだと読み解くことができます。
現実に矛盾を抱え、それでも行動できないことが多い中で「キミ」は旅立つことを決めました。
そこに至るまでの苦悩は主人公にも痛いほどよくわかるものです。
ここにある「歩きだしてくれ」というセリフには、そんな相手の事を称賛する気持ちが込められていると感じます。
「またね」という言葉
サヨナラをいわせない
なにかがこの胸にある
Just say "Keep in touch"
ぼくらの合言葉
サヨナラというだけじゃ
伝えきれない想いを
振り向けば いつでもここから
ぼくらが見ているから
出典: ki・zu・na/作詞:Kenn Kato 作曲:春川仁志
サビにあたる部分の歌詞です。
「Keep in touch」とは、「またね」というようなことを意味する熟語。
別れの場面に際し、彼はあえてそんなセリフで相手を送り出します。
ここでの「なにか」は、口に出して上手く表現できない彼らの深いつながり。
それこそがタイトルにもなっている「絆」です。
着目できるのは、その「なにか」が「サヨナラをいわせない」、ということ。
主人公が自ら意識せずとも、その「絆」によって「サヨナラ」という言葉が出てこないのです。
それだけ彼らの心は固く結ばれていて、簡単に離れることはないのだと感じられます。
そして、旅立つ相手に伝える「またね」は「合言葉」であると説く彼。
たった三文字のその言葉の中には、送り出す仲間たちの励ましの感情や、決断の勇気を尊重する気持ちなどが含まれています。
「サヨナラ」と一言で片づけてしまうのは簡単です。
それでも、そこに収まりきらない複雑な思いが彼に「またね」というセリフを言わせているのでしょう。
夢に向かって歩き始めた相手を送り出す、仲間たちのさまざまな感情がこのシーンに描かれています。
「ki・zu・na」の歌詞をチェック!(2コーラス目)
仲間からのエール
きっと ダメだって
思う日もあるけど
絶対ムリなんて いいきれない
出典: ki・zu・na/作詞:Kenn Kato 作曲:春川仁志
2コーラス目の冒頭部分にあたる歌詞。
このセリフは、目標に向かって前進しようとしている相手に対して伝えられたメッセージです。
「ちょっとやそっとであきらめるなよ」と、エールを送っているようです。
夢を叶える過程では、さまざまな困難がその行く手を阻むもの。
目標を達成した多くの人は、願望を現実のものにしていく中で何度もあきらめようと思ったはずです。
ここにある「ダメだ」というセリフはまさにそれを象徴する言葉。
しかしそんな困難を乗り越えて初めて想いが実るのです。
「絶対」以降の内容には、この主人公が持つ相手への期待が込められていると感じます。
「ユメ」と「ゲンジツ」
ユメはそう 遠くにあるもの
途方に暮れるくらいに
ゲンジツの地平線の彼方
越えてみせてくれ
出典: ki・zu・na/作詞:Kenn Kato 作曲:春川仁志
「夢」、そして「現実」という単語がここではカタカナによって表記されています。
歌詞を音として聴くだけでは分からない表現です。
ここに込められた作者の意図を読み解けば、それは「夢と現実」という永遠のテーマなのではないかと感じられます。
手が届かないところにある「ユメ」という存在を、「ゲンジツ」を抜け出すことで捕まえろと伝える主人公。
1コーラス目で「歩きだしてくれ」とその旅立ちを称えていた彼は、ここで「夢を叶えろ」とさらに相手を鼓舞します。
「決断した以上、今の自分を越えて大きな存在になってほしい」という仲間からの熱い激励の言葉です。