始まりはSNSで発信された4ページの漫画

センチメンタルな世界観が人気の「ユアネス」が、切なく歌い上げる『色の見えない少女』。

モノクロのイラストで構成されたMVに、心をわしづかみされる人が続出しています。

この楽曲は、同じタイトルでSNSに発信された4ページの漫画をもとに作られています。

色の認識ができない少女の悲しい物語を描いたこの漫画は、3万回以上もシェアされています。

ユアネスの『色の見えない少女』に至っては、YouTubeでの再生回数が今や18万回を超える程の勢いです。

人はどうしてか、こういった切ない物語が好きなようです

漫画家・しらこさん

この漫画は、Twitterユーザーのしらこさんが描いたもの。

MVのイラストはすべてこのしらこさんが担当しています。

シングルのジャケットや帯ももちろんしらこさんの手によるイラストです。

ありふれているとも見える、しらこさんが描くシンプルで暖かく優しい画は、じつは非常に個性的。

真似しようとしてもできないセンスと、切ないストーリー展開が、多くの人を魅了しています。

二つの世界観が化学反応した曲

しらこさんの描く切ない少女の物語とユアネスの繊細な世界観が、融合してできたこの曲。

漫画から伝わる感動を、ユアネスの奏でるサウンドが包み込み、もっと人々の心に響かせています。

それはアーティスト同士の化学反応であり、どちらの良さも引き立てるコラボ作品となっています。

それではこれから、MV歌詞を見てきましょう。

君がくれた景色~1番~

灰色の世界 無味乾燥で
味気ない道端の花 名前だけは知ってて
君は私に 景色をくれた
曖昧なまま 霞むけど
まぁいっかで受け止めた

出典: 色の見えない少女/作曲:古閑翔平

その少女がいるのは、色のない世界。

それは白と黒、そしてその濃淡だけの灰色の世界です。

「何かの刺激や心を動かす感動を経験すると見えるようになるかもしれない」とお医者さんには言われています。

そんなある日、少女は入院先の病院で、とある少年と出会いました。

彼との交流を通じて、諦めかけていた「色」の存在に興味を持ち始める少女

はっきりとは分からなくても、少しずつ景色に色の名前がついていきます。

もしかしたらこれがお医者さんの言っていた「刺激」になるのかな、と少女は思います。

実際、日常に「色」が付き始めたのですから。

歌詞とは別に漫画の中のセリフが入る

漫画のストーリーを歌にした『色の見えない少女』。

イラストも全編を通してモノクロ、または最低限の色がついているだけです。

歌詞を補足するかのように、漫画の中のセリフがところどころ映像に使われています。

もちろん、曲だけを聞いても情景が浮かびます。

しかし、聞きながらMVを見ることで、より完成された『色の見えない少女』の世界を理解することができます

5分にも満たない楽曲の中に、人の琴線に触れるたくさんの要素が詰め込まれているのです。

二人の距離が近づいていく

夕日は何色
時間は過ぎてく

出典: 色の見えない少女/作曲:古閑翔平

歌詞だけ見ると少ないこの部分ですが、MVは饒舌です

それぞれの病室にいる二人。

やがて一緒に居るようになり、会話を重ねていきます。

「あれは何の色?」と聞く少女、それに応える少年…。

音楽の間に、少女と少年の距離が近づき、大切に時間を過ごしていく様子が描かれているのです。

恋をしたから~前半サビ部分~

変わらないはずのモノクロのこの世界で
君のその黒い瞳で見える私はどう映っているの
溢れだす涙で滲んでゆく
水性の景色がノイズ混じりに姿を彩ってく

出典: 色の見えない少女/作曲:古閑翔平