King Gnuは「ロウラヴ」から始まった

King Gnu【ロウラヴ】歌詞の意味を解釈!造花だと知りつつ手を伸ばす理由は?貴女との関係を紐解くの画像

King Gnu(キングヌー・略称ヌー)といえば「白日」と認識している人も多いでしょう。

そんな中「ロウラヴ」(Low Love)はファンの間で根強い人気を誇ります。

彼らは2019年1月、アルバム「Sympa」(シンパ)でメジャーデビューを果たしました。

ただし、インディーズ時代の2017年10月にもアルバムを1枚発売しています。

それが「Tokyo Rendez-Vous」(以下ランデブー)。「ロウラヴ」はその収録曲です。

4人初の制作曲

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さらにヌーにはSrv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)という前身バンド時代もありました(2017年4月に改名)。

元々ギター&ボーカルの常田大希さんが、様々なアーティストとコラボするソロユニットとして始めています。

そして勢喜遊さん・新井和輝さん・井口理さんとの4人体制になって初めて制作された曲が「ロウラヴ」でした。

メンバー4人にとっても非常に思い入れのあるナンバーでしょう。

MVとアレンジが違う?

2016年9月にはSrv.Vinci名義でミニアルバムトーキョー・カオティック」も発売されました。

「ロウラヴ」はこちらにも収録されています。

ヌーに改名する前だったのでMVはSrv.Vinci名義です。

そして改名後アルバム「ランデブー」用に改めてレコーディングが行われました。

そのためMV&「カオティック」音源と「ランデブー」音源では若干アレンジが異なっています。

デモを作るのは作詞・作曲担当の常田さんですが、アレンジはパートごと、楽曲全体は4人による制作です。

いろいろ試すそうで、時間をかけて録り直す作業はヌーにとってはままあることになります。

未発表曲がライブで披露されるうちに変わっていく過程を楽しむのも醍醐味でしょう。

あるいは音源として先に発表されていた曲が、ライブで劇的に変化するという逆パターンもあります。

「ロウラヴ」に関しては、MVバージョンも「ランデブー」音源もどちらも好き!というファンも多いでしょう。

アコースティックバージョンなどライブごとに異なるアレンジも最高です。

ジャジーなラブソング

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ロック好きで先鋭的な現代音楽を得意とする常田さんが、J-POPの歌モノに振り切ったのがヌーの始まりでした。

その1発目となった「ロウラヴ」はとっても大人っぽいラブソングです。

  • ボーカル:繊細な井口さんと渋い常田さんの掛け合い。
  • ギター:エッジの効いたカッティングのリフからうなるソロへ。
  • ベース:縦横無尽に重低音を響かせるアルペジオからリフへ。
  • ドラム:跳ねまくり・オカズ多めの派手なグルーヴ&シンバル中心の静かなアプローチ。メリハリ。

この4人がジャズの即興演奏かのように個のポテンシャルを最大限に引き出し合います。

その姿はまさに音楽の格闘技といっても過言ではありません。

ところが歌物語はロマンティックというまさにギャップ萌えです。

そんな「ロウラヴ」の歌詞に注目してみましょう。

貴女との関係

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King Gnuはバンドとして「ヌーの群れのような巨大化」という趣旨のコンセプトを掲げています。

たくさんの人にヌーの音楽を聴いてもらいたい!そのためには売れなきゃダメ!という意味です。

そんなわけでバンドはJ-POPを強く意識するようになりました。

トリッキーな現代音楽では間口が狭すぎて売れなかったわけですね。

そして売れるJ-POPといえばラブソングこうした発想から「ロウラヴ」は作られたのでしょう。

まずは1番の歌詞を解説します。

詩的な世界観?

錆びた指輪の跡
“痛み分けですね”
痣を隠して
生きてくのでしょう。

出典: ロウラヴ/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

<指輪>という言葉で、さっそくロマンティックな雰囲気がかもし出されています。

思い浮かぶのは大人の男女の愛の物語でしょう。

ただし、お互いに痛みが伴います。

隠すべき何かがありそうです。

下世話で具体的な表現を避けているため「ご想像におまかせ!」といった詩的な世界観に感じられます。

ただ、指輪をつけている女性といえばダンナさんやつき合っている彼氏など特定の存在がいるのでしょう。

しかも指輪は古くなっているので(主人公の男性とは別に)女性にはつき合いの長い相手がいると考えられます。

女性にしてみるとパートナーを裏切る罪悪感、主人公の男性にしてみると女性を奪うという罪悪感。

もしくは男性にも別の女性がいるのかもしれません。

この痛みにお互い目をつむったまま愛し続ける2人は「共犯関係」という話でしょう。

「2人ともイケないことをしているよね…」と言いながら愛し合っているイメージです。

生々しい愛