You're gonna make me go
You're gonna make me drown
失うものはもう何もない
You're gonna make me go
You're gonna make me drown
No, I don't want it
But I know no one's there
はざまを辿って

出典: Drown/作詞:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai 作曲:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai

続いてサビの歌詞です。

ここではタイトルも出てきており、非常に感情的になっています。

まず、繰り返される響きが印象的な英語の部分を訳してみましょう。

あなたは私を行かせようとする。

あなたは私を溺れさせようとする。

私はそうしたくないのに。

でも私は知っている。

そこには誰もいないことを。

色々な意味に解釈できそうです。

イメージの膨らむ描写。

アニメの世界観とつながりつつ、まったく同じとも言い切れません。

またmiletさん自身がこの楽曲を制作するにあたって模索する様子と捉えることもできそうです。

アニメの物語にどっぷり溺れるか、無関係に自分の世界観を貫くか。

そのうち「溺れる」ほう、つまり既存の物語をすっかりなぞることはしたくないのが本音ではないでしょうか。

その「溺れる」パターンでは誰にも聴いてもらえないことはわかっている。

そういう意味かもしれません。

アニメ寄り、または無関係の両極端ではない、どちらも含む中間層を狙っているイメージです。

2番の歌詞をチェック

誰も知らない君とは?

milet【Drown】歌詞の意味を徹底解説!自分が向かうべき場所はどこ?主人公は何に溺れているの?の画像

Feeling like
I'm living in your shadow
浅い傷に棲みついた sorrow
振り下ろせない錆びたナイフ
誰も知らない君が
そこにいたんでしょう

抱きしめてあげるよ
その息を吸って泳ぐ

出典: Drown/作詞:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai 作曲:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai

2番冒頭では「私は君の影の中で生きている感じがする」と語っています。

ここでいう君とは「ヴィンランド・サガ」の主人公トルフィンのことかもしれません。

あるいはこの楽曲を聴く方への呼びかけと受け取ることも可能です。

その両方を含む中間層もあり得ます。

とにかく「ナイフを深く刺せない悲しみ」に私は寄り添っているわけです。

自分を、あるいは誰かを傷つけなければいけない状況だとわかっていても君にある、ためらい。

裏を返せば、君は躊躇しながらも傷つけることを考えたわけです。

そのとき「そこ」には自分ではない別人がいたみたいに感じたはず。

そう私は君の内面を代弁しています。

「そこ」というのは荒野や砂漠に例えてイメージされる、心の闇の部分。

心の底」かもしれません。

深層心理には君の悲しみがひそんでいて、私はまるで影のように君の闇の部分がわかるという話です。

だからmiletさんは君の吐いた、ため息を吸うことによって歌う

つまり「泳ぐ」=「歌う」ですね。

さらに歌うことによって抱きしめると語りかけてくれている感じがします。

足元に問題あり?

milet【Drown】歌詞の意味を徹底解説!自分が向かうべき場所はどこ?主人公は何に溺れているの?の画像

You're gonna make me go
You're gonna make me drown
足場もない答え 前へ向かう
You're gonna make me go
You're gonna make me drown
No, I don't want it
But I know no one's there

出典: Drown/作詞:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai 作曲:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai

こちらは2番のサビです。

1番との違いは日本語の部分

そもそもなぜ溺れるのかというと、足元に問題があるのかもしれません。

土台がしっかりしていれば立てるわけですが、砂漠のように地盤が緩いと沈んでしまいます。

この砂漠も例えなのですが、深層心理すなわち「心の底」も同じことがいえるのではないでしょうか。

自分を見失うほど心に闇を抱えていると底なし状態で溺れるという話です。

「そこには誰もいない」という英語の部分に様々な意味が重なってきて、それこそ「心の底」に刺さります。

茫然自失のままでは答えが出ないので歌詞の解釈も先へ向かいましょう。

ラストはどうなる?

「そこ」に留まる

milet【Drown】歌詞の意味を徹底解説!自分が向かうべき場所はどこ?主人公は何に溺れているの?の画像

I know no one's there
I'll stay, I'll stay
I know no one's there

出典: Drown/作詞:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai 作曲:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai

サビが少しずつ変化しながらラストまでつながっていきます。

そこには誰もいないとわかっている。

私は留まろう。

これまでのサビとの違いは、誰もいないとわかっている「そこ」に私が居続けようとしているところです。

荒野で孤立しているのは君であって、私は「そこ」にいません。

私は君の影として存在しています。

君自身の心の底も、自分を見失った状態になっているので、その意味でも「誰もいない」わけです。

さらに、この楽曲を制作したmiletさん自身が自分の色を出すかどうか。

そういう意味でも、自分の色を出さなければ誰もいないことになります。

逆に、アニメの物語に溺れすぎても、誰も聴いてくれないという解釈もありました。

そこで君の心の底に影として留まる。

そういう結論に達したのでしょう。

君とは「アニメの主人公トルフィン」と「この楽曲を聴く方」の両方。

もちろんmiletさん自身の色も出して、アニメのストーリーにもリスナーにも寄り添うかたちです。

Don't let me go
(Don't let me go)
You're gonna make me drown
(Don't let me go)
足場もない答え 前へ向かう
You're gonna make me go
You're gonna make me drown
No, I don't want it
But I know no one's there

出典: Drown/作詞:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai 作曲:milet・Ryosuke“Dr.R”Sakai

もうひとつこれまでと違うのは「私を行かせないで」という部分です。

もともとは「私を行かせようとする」とただ君のすることを傍観している状況でした。

ここではこれまでよりも1歩踏み込んで、強く否定しています。

これがmiletさんらしさ。

自分の色を出すことと解釈できます。

狭間をいく