ユニークな映像に“いいね”
ノリの良さ抜群なポップスらしい華やかな演出、ただ聴くだけでなく視覚的にも十分面白みを感じられる「いいねパラサイト」の映像。
“いいね”を主軸とした内容なだけに、合間合間で起こる“いいねコール”が曲の盛り上げに一役買ってます。
ただ女の子が並んでドーナツなどを見せびらかしているだけなのに“いいね”の数が増えていくという点。
筆者自身、「何でこんなメッセージ性もない単純な光景に多くの人が注目してんだろうなぁ」とネットを利用していて毎度疑問に思っていました。
あぁなるほど…。“可愛い女子+スイーツ”は大衆受けが良いのか。
それはともかく、激しいパフォーマンスやヘヴィなサウンドに合わせて赤い花弁が舞い散っていく様も観ていて爽快です!
歌詞を確認♪
食べ物と一緒にモラルもゴミ箱へ
なに?これ?これ?超可愛い
いいね!来そうじゃない?
並んで写真を撮ったら
食べずに捨てちゃう
だから「いいね!」×7
もっとちょうだい
何より大事なことは映えるかどうか
出典: いいねパラサイト/作詞:河井教馬 作曲:ReVision of Sence
SNSにハマっている今時の女子の会話から始まる本作。
きっと可愛いスイーツでも見つけたのでしょう。
甘くて美味しいスイーツと自分を写し「ハイ、チーズ!」
「SNSに投稿して沢山“いいね”もらっちゃお♪」
「でもコレはもう要らない。だって食べたら太っちゃうもんね」
そして無情にも捨てられるスイーツ。
“いいね”のためなら食べ物すらただの“引き立たせるための道具”に成り下がる…。
「ほら見て皆!こんなに可愛いスイーツと私達!」
「#可愛いと思ったらいいねとRTしてください♪」
承認欲求の暴走で欠如したのは倫理観、そして増長する虚栄心。
“今の輝いている自分達を見てほしい知ってほしい!”。
ネット世界で自分を大きく見せるためなら、どんなことだって厭わない。
そんな虚しさが歌詞から伝わってくるようです。
“いいね”に何の価値がある?
うんざりだ
いいねの数競い合って
いいねをただ求め合って
何を目指す?君の価値はその数字か?
出典: いいねパラサイト/作詞:河井教馬 作曲:ReVision of Sence
友人達と“いいね”の獲得数を競い合って何になる?
物を粗末に扱って周りの人を不快にさせて手に入れた“いいね”で何故満足できるんだ?
「さっきの写真で100の“いいね”を手に入れた!」
そこまでする君自身に、一体何の価値があるというのか。
チヤホヤされたい?自慢したい?
そんな自分勝手な理由並べても、食べ物を食わずに捨てていい免罪符になんてならないよ。
今のスタンスを維持したまま“いいね”を追求したところで、ネットではGOODでもリアルではBADな存在だ。
魅力的に写らなきゃ気が済まない
いいねに依存続けて
いいねで欲求満たして
比べるべきは昨日の自分とかじゃないの?
え?わたし写り悪くない?
それ載せないでね?
自分の顔が盛れてるの
友情よりもチョイス
だから「いいね!」×7
もっとちょうだい
充実してそうな自分見事演出
出典: いいねパラサイト/作詞:河井教馬 作曲:ReVision of Sence
日頃の自分の行いを顧みず、ただひたすらに“いいね”獲得にこだわり続ける滑稽な姿。
手段を選ばず手に入れた“いいね”で自尊心を保ち、満たされたつもりになっている。
まるで自分の尻尾を追いかける犬のような同じことの繰り返し。
ネットの評価を気にして、それでもなお依存して止まない自分の姿を一度見つめ直してほしい。
自分の写りばかり固執して、友人との関係にも小さな軋轢。
友情よりも大切な“可愛く盛れてる自分自身”。
SNSでは評価は右肩上がりでも、現実世界では人望だだ下がり。
そんなことにも気が付かず、今日も“いいね”を求めてスマホで撮影!
SNSに依存する虚しさ
うんざりだ
いいねの数競い合って
いいねをただ求め合って
君は誰だ?リアルじゃ名もなき人間
いいねに依存続けて
いいねで欲求満たして
作り上げた自分見せつけて虚しくないの?
出典: いいねパラサイト/作詞:河井教馬 作曲:ReVision of Sence
どんなに“いいね”の数を稼いだところで、ネットで理想的な自分を演じたって、所詮リアルは街に溢れる“有象無象の一部分”に過ぎない。
モラルや友情を犠牲にして、何の得にもならない“いいね”にすがりついて何になる?
まるで寄生虫のように貪欲に“いいね”を求めたところで、最終的にネットとリアルのギャップに苦しむことになるのは自分自身だよ。
素の自分で勝負しよう
気付けよ
本当の価値はこれじゃない
君が生きるこの世界で
何ができる?行動できるかできないか
数字に踊らされるな
それじゃ何も変わらない
つまらない現実を変えろ
ダサい君がいいね!
出典: いいねパラサイト/作詞:河井教馬 作曲:ReVision of Sence
何の価値もない“いいね”に踊らされて、一喜一憂するなんて馬鹿馬鹿しいよ。
そんなものに惑わされず今生きているこのリアルを大事にすることで、“君自身の価値”を高めてくれるんだ。
ハリボテの魅力で“個性”を見失った今よりも、過去に自ら追いやってしまった“飾らないありのままの素顔”が一番素敵なんだよ。