演奏シーンを中心としたMV
眩暈SIRENのMVは基本的に演奏シーンを中心としたMVになっている物が多いです。
今回解説する「紫陽花」も演奏シーンが所々で映っており、臨場感が味わえます。
また今回の楽曲で出てくる紫陽花は青色です。
紫陽花は紫やピンクなど様々な色があることが特徴ですが、なぜ青なのでしょうか。
この青色の紫陽花の意味もあるのかどうか解説していきます。
MVに映る廃墟の意味は?
MVではシーンの各所で廃墟が映し出されています。
サビの演奏シーンも廃墟のような場所で演奏していますね。
どうしてMVの場所が廃墟になったのか。
また曲が進むごとにボーカルが廃墟の奥へ移動しているのはなぜか。
MVから読み取れる「紫陽花」の世界観を解説します。
葛藤を表現している
「紫陽花」は歌詞を見るとなかなか変化することのできない自分が表現されています。
他人の目や意見、よく似た毎日を過ごすことで他の人も進んでいないと錯覚してしまう。
現状に満足していなくて葛藤し、変化を望んでいるという繊細な歌詞になっています。
そして廃墟は昔の建物が壊されずに残ったままになっている建物です。
昔の建物=変化しないままの自分。
しかし人がいなくて整備されない廃墟は確実に朽ちて、壊れるもの。
廃墟は壊れてなくなってしまうと新しい建物が建つこともありますね。
変化しきることができない心情を廃墟に見立てて、いずれは生まれ変わりたいという捉え方ができます。
ボーカルはどこに向かっているのか
演奏シーン以外ではボーカルが廃墟の上に行くシーンが多くあります。
最上階まで行った彼は一冊の本を落としてしまいます。
このことから本を捨てに行きかった。
または、うっかり落としたようにも見えることから本を読み返したかったと考えることもできます。
歌詞中では一冊の本を人生、命と表現していますね。
本を開けているシーンは自分の過去の歩みを確認、整理していたのでしょうか。
しかし次のシーンで人生や命と表現している本を廃墟の最上階から自分で落とす。
これだけだと自殺という意味合いが連想されます。
しかし「紫陽花」の全体の歌詞を考えると、今までの薄っぺらく変化しなかった人生、または過去を捨てたい。
という考え方もできます。
また、本を落とした後ボーカルは少し困惑したような動作をしたシーンが少し流れます。
感じ方は色々ありますが、本(変化できなかった過去)を捨ててスッキリしたという雰囲気ではありません。
落とす(捨てる)つもりがなかったのか、落としたことを後悔しているのか。
どちらにせよ、過去を落としてしまったことを後悔しているように感じますね。
MVの間に何度も映る紫陽花の意味とは?
楽曲のタイトルにもなっている「紫陽花」。
MV中でも様々な所で紫陽花を見かけます。
サビではボーカルが紫陽花を持っているシーンもありますね。
紫陽花の花言葉は色ごとによって変わり、七変化といわれる時もあります。
変化を望んでいる歌詞と様々な色に変化できる紫陽花。
これだけでも色々な解釈ができそうです。
紫陽花の花言葉
紫陽花の花言葉は「家族の結びつき、謙虚、移り気、浮気」があります。
小さい花がたくさん集まっていることから良い意味では家族の仲の良さを表している物が多いです。
マイナスの言葉は、色が変化することから浮気性や移り気などコロコロと気持ちが変わる様を表している言葉。
しかし、青色の紫陽花になるとまた花言葉が変わります。
青色紫陽花は悪い意味で「冷淡、無情」、良い意味で「清澄」。
清澄は楽曲やMVと結び付けづらいですが、冷淡や無情はなんとなくMVや歌詞から感じ取れます。
冷淡という意味は冷めた他人に対してなのか、淡々と日々を消化している自分に向けてなのか。
あるいは双方に向けての花言葉の意味にも捉えられます。
花言葉と歌詞がリンクしている
青い紫陽花の意味を知ってからMVや歌詞を見ると、また見方が変わります。
特に1番の最初の歌詞は自分のことを責めて焦っている様子。
または自分自身ではなく他人に急かされているとも考えられます。
失敗してこのままじゃいけないと他人から言われ、自分自身も分かっている。
変わろうとするものの、あまり変わらない日々や他人に無情を感じる。
時には変化を求めない他人に冷淡な気持ちを抱いているという解釈も可能です。
また、MVの最初でボーカルが1人ぽつんとたたずんでいるのも心の不安定感を感じます。