もう、別れて数か月も経っています。
でも、何故か別れたあの人のことを思い出してしまうのです。
もう、とっくに自分にけじめをつけたはずなのに。
心の痛手が、まだ私に楽しかったあの時を、思い出させます。
ふと、思い出しただけなのに、涙が自然にあふれ出してくるのです。
ああ、人を好きになるというのは、こんなに辛いものなの?
私を捨てた、あの人なのに。
本当ならば、憎んで当たり前のはずなのです。
一方的に、私のことを捨てたのだから。
なのに、あなたの面影を忘れられない、自分が本当に辛いのです。
主人公の気持ちは、次の歌詞で本音をうたいあげます。
大失恋の痛み
こんなに自分が弱いとは
どうしてこんなに いじめるの
二度と来ないで つらいから
これが 女のみちならば
出典: 女のみち/作詞:宮史郎 作曲:並木ひろし
主人公の女性は、懸命になって自分を捨てた男を忘れようとしています。
しかし、惚れてしまった弱みなのか、忘れることができません。
「お願いだから、もう私をいじめないでください」。
主人公の女性は、心底、そう思っています。
でも、そうやって辛い思いをすることが、失恋の痛手だということも受け入れようとしています。
それが、女ならば誰もが通る「女のみち」と、悟ったのかもしれません。
本当は、もう二度と思い出したくないのです。
明るく、前だけを見つめて、生きていきたいのです。
でも、やはりあの人が、私の心の一番、大事な場所にまだいるのです。
どうして、こんなにいつまでも、私の心の中に面影として残っているの?
でも、忘れられない自分がもどかしいのです。
女心は、自分の理性では制御できないものなのでしょうか?
主人公は、辛い思いを引きずったままなのです。
でも、次の歌詞で、主人公の女性は女の覚悟をみせてくれます。
女のみちはどこに行く
強く、歩いていきたい
暗い坂道 一筋に
行けば 心の灯がともる
出典: 女のみち/作詞:宮史郎 作曲:並木ひろし
主人公が進んで行こうとしている人生。
今はまだ、目の前が、真っ暗でおまけに坂道のようないばらの道です。
たった、一度の人生の失恋で、どうしてこんな思いをしなければならないのか。
でも、主人公の女性は、愚痴も文句もこぼしません。
あえて、火中の栗を拾うがごとく、前に進みます。
そう、信じて前向きに生きてゆけば、きっと心に灯がともる。
そんな言葉を、自分に言い聞かせるように、願います。
主人公の女性は、いつまでもめそめそしているような弱い女性では、ないようです。
確かに、今は辛くて苦しい。
でも、それを乗り越えた先には、きっと人生の明かりが見えるはず。
その証拠に、次の歌詞で主人公の女性の心情が明らかにされます。
私は、このままでは終わらない
きっとつかむわ 幸せを
二度と明かりを 消さないで
これが 女のみちならば
出典: 女のみち/作詞:宮史郎 作曲:並木ひろし
私の人生は、私だけのもの。
決して、人にすがって幸せを得るなんてことは、しない。
そう思ったら、いつまでも、めそめそしていられない。
そういった、強い心情が歌詞から感じられます。
主人公の女性は、踏まれても倒れない、麦のような女性なのです。
決して、男性にすがって生きてゆくだけの弱い女性ではないのです。
そして、自分自身の手で未来に希望を灯そう、という気概をにじませています。
次に訪れてくる恋のチャンスには、必ずやいい結果を出すんだ。
そうでなければ、このような前向きな誓いは出てこないでしょう。
「女のみち」は、強く生きていく決心のたまものなのです。
恋は、確実に女性を強くするのです。
女のみちとは
それは、失ったときにみつけるもの
主人公の女性は、きっと自分の手で幸せをつかむでしょう。
自分の生きる希望は、愛する人と幸せな家庭を築くこと。
それまでは、明るく生きてゆくことを力強く誓ったのです。
それが、「女のみち」だというならば、抗わずに生きてゆく決心なのです。
「女のみち」は、決して弱い女性がすがって生きてゆく生き方ではありません。
そのことを、主人公の女性自身が、身をもって教えてくれているのです。