希薄さ
「エーテル」は古代ギリシャで用いられた概念として知られています。
古代ギリシアの哲学者パルメニデスは「エーテル」について、こう表現しました。
穏やかかつ希薄で、一面に均一に広がるもの
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/エーテル (神学)
それはどこか天国的なもの。神の領域。
しかし、それは希薄でもろいもの、とも考えられるかもしれません。
かつて知っていた場所
最初のシーン 覚えていた
エーテルの底
出典: 楽園の君/作詞:高橋國光 作曲:高橋國光
「エーテル」の意味について確認したところで歌詞を見てみましょう。
ここで分かるのは、始めは「エーテル」にいたということ。
もしくは、そのすぐ側にいたということが読み取れます。
つまり、「楽園」を知っていたことを意味しているのではないでしょうか。
しかし、いまはもうそこにはいない。
この曲からは現実の恐ろしいまでの残酷さを感じるのです。
抗えない運命
違い過ぎる2人
間違えたまま 僕ら生まれてきたね
帰り道も思い出せずに
ずっと ずっと
出典: 楽園の君/作詞:高橋國光 作曲:高橋國光
このフレーズは理想と現実の大きなギャップを描いています。
本当だったら…
こんなはずじゃなかった…
そんな気持ちが見て取れます。
正しく生まれてきていたら良かったのに、と。
では、何をどう間違えたのでしょうか。
人間と喰種
「東京喰種」では、人間と人間を食べて生きる喰種と呼ばれる種族の争いが描かれています。
喰種は人間を食べないと生きていけない。
その喰種を敵と見做し駆逐しようとする人間。
誰にもどうにも出来ない現実。
そこに半喰種という存在が生まれます。
それが、このアニメの主人公「金木研」です。
人間であった金木は、ある日とあるきっかけによって半喰種になってしまいます。
半喰種も喰種と同様、普通の食事は出来ません。
人間であったのにも関わらず人間を食べないと生きていけなくなってしまった金木。
そんな時、一人の喰種と出逢います。
霧島董香
何一つ許せずに生きていくか
笑った顔も思い出せずに
出典: 楽園の君/作詞:高橋國光 作曲:高橋國光