ブレない男、NORIKIYO
最新作が最高傑作
今回ピックアップしたいアーティストはNORIKIYOです。
ベテランでありつつもブランクを開けずに怒涛のリリースラッシュを続ける男。
2019年7月にはAKLO+BACHLOGICという布陣で『New Drug』をリリースしたばかりです。
最新作が常に最高傑作と語るNORIKIYO。
まさしくブレない男の理想形ともいえるでしょう。
『平成エクスプレス』のオープニングナンバー
多作な男のソロ9作目
ソロに加えSD JUNKSTAの作品、さらには古今東西のラッパー&プロデューサーとのコラボ作...。
一体彼はいつ眠りについているのでしょう?
そんな売れっ子ラッパーのNORIKIYOが2019年3月にリリースしたのが『平成エクスプレス』。
9枚目となるソロアルバムです。
OZROSAURUSのMACCHO、SIMI LAB、田我流など豪華ゲストを迎え入れ制作された本作。
1979年生まれのNORIKIYOがヒップホップと共に駆け抜けてきた昭和&平成という時代が描かれています。
そのオープニングを飾るのが『Attitude』なのです。
ここからは『Attitude』の歌詞の中から重要と思われる記述について徹底解釈を入れていこうと思います。
宝を探し続けた平成
みんなが探す“宝物”って何だろう?
宝もんが何か?
皆探してる在り処を
お金やプロッスとかそういうんじゃねぇぜ
出典: Attitude/作詞:NORIKIYO 作曲:TONE-P
『馬鹿と鋏と』『O.S.D』と立て続けに挑発的な作品を発表してきたNORIKIYO。
それに続く『Attitude』はこんな歌い出しで始まります。
バックに流れるのはマーチングバンドのようなドラムロールと抒情的なギターのループ。
NORIKIYOは自身の生涯を振り返ると共にリスナーに問いかけます。
「君にとっての人生の宝物って何?」
一般的な成功者が語る耳タコな答えでは彼は納得できないようです。
NORIKIYOがヒップホップを通して学んできた人生の哲学とは?
少しずつ紐解いていきましょう。
「ありがとう」の深み
蔓延る暴力を変えるのは?
俺の邪魔する 未だバイオレンスってのが蔓延ってる
妬みやっかみ そりゃ間に合ってる
もうだりぃ事ばっかなにかと
でもそれにも頭下げ「ありがとう」
出典: Attitude/作詞:NORIKIYO 作曲:TONE-P
冒頭に紹介しましたフックのパートは飛ばしてラップの歌詞から見てみましょう。
NORIKIYOが生まれ育ったのは神奈川県は相模原市。
在日米軍基地の1つであるキャンプ座間の近隣です。
不良少年の文化の1つとしてスケボーからヒップホップへと流れ着いたのもその環境が大きいのでしょう。
喧嘩や抗争、地元の上下関係など不良少年にとっての日常である軋轢。
多くのラッパーが語るようにラップ1本で生活の糧を得るNORIKIYOには周囲からの嫉妬が付きまといます。
そんな軋轢に対してNORIKIYOが投げかけるのは感謝の言葉です。
その意図することは一体どのようなことなのでしょう?