フルバージョン
ジャケ写に描かれた歌詞のイメージ
「暁の鎮魂歌」のフルバージョンがYouTubeで公開されたので追記します。
1番の歌詞は「王政編」に寄り添った内容でした。
ところが、2番以降は映像に対応しないためかそうした縛りがありません。
アニメや原作に出てくる重要な言葉を取り入れたり言い換えたりして歌詞にしています。
具体的に指摘するとネタバレのオンパレードになるので遠回しな説明になるのをご容赦ください。
それでは、2番の歌詞から。
暁と黄昏は同じ寂しい色を抱いて
過ぎ去りし鳥の影 大地に焼き付ける
意志を屠る者と 屠られる者には
容易に相容れぬ壁がある
真実を望めば世界は崩れ去る
檻の中で見上げた空は 果たして自由か
花束を捧げた 果たせない約束に
進み続けた道の果て 楽園は遠ざかる
Requiem Requiem
その夜に散った儚き花よ
どうか安らかに 暁に眠れ
出典: 暁の鎮魂歌/作詞:Revo 作曲:Revo
この記事のトップにある「楽園への進撃」初回盤のジャケ写をリンク先で拡大してご覧ください。
左が黄昏、夜の月を挟んで右に暁があります。
1番では越えられない柵が、相容れない壁になっています。
エレン、アルミン、エルヴィンは壁外の世界(真実)を求めてきました。
その意思を打ち砕く(屠る)者との戦いがシーズン3で描かれています。
屠る者にとって真実が明らかになると壁内の世界(平和)が崩れるからです。
巨人(檻)に囲まれた壁内から見る世界の彼方には自由があるのか。
これはアニメ第38話の冒頭にあったエレンの独白に関連しています。
そのシーンがシーズン3のラストになるなら、そこで答えが分かるでしょう。
続く花束の意味を知るために「楽園への進撃」通常盤のジャケ写をご覧ください。
このジャケ写は初回盤の画面下を一部拡大したものです。
Revoさんが墓に花束を捧げています。
つまり初回盤のジャケ写は墓地の場面なんですね。
ただし、通常盤では手にしていた花束が初回盤では墓に供えてあります。
よく見ると絵もタッチが違います。
単順に一部を切り取ったのではなく同じ構図で絵を別に描き起こしてあるのです。
「暁の鎮魂歌」は物語の中で亡くなる登場人物に捧げると、絵で表わしているのでしょう。
この墓地の光景を見て誰かを思い起こす人もいるでしょう。
単なる偶然か後付けなのか、意識してこの絵柄にしたような気がします。
メインテーマが込められた3番
自由を求めて何かを奪うのなら
奪われたものを また奪い返すでしょう
息を引き絞り
世界は単純で
それ故に難解で
同じ悲劇 何度も繰り返す
Requiem Requiem
この夜に散った咎なき花よ
せめて安らかに暁に眠れ
そしていつか語るなら
絡みつく因果断ち切って
なぁ友よ 壁のない暁に逢おう
出典: 暁の鎮魂歌/作詞:Revo 作曲:Revo
奪い合うのは継承される巨人の力。
「世界は単純で」から「繰り返す」までは「進撃の巨人」のメインテーマといえます。
「進撃の巨人」が描く世界の仕組みは単純だけど繰り広げられる物語と登場人物の心の内は難解です。
「繰り返される悲劇」とはどこかで目にしたことのある人もいるでしょう。
重要な「進撃の巨人」のキーワードです。
最後のパートは原作者しか知らない物語の結末に向けたRevoさんのメッセージだと思います。
歌詞とジャケ写からはRevoさんの熱烈な「進撃の巨人」愛が伝わってきます。
「進撃の巨人」は勧善懲悪の物語ではありません。
切り裂きケニーやロッド・レイスにも彼らなり正義がありました。
絶対的な悪も善もない世界観は日本人らしい考え方です。
執拗に描かれる立場の違いと正義と自由は、この歌詞にも反映しています。
「進撃の巨人」は残酷なシーンに目が向きがちです。
だけど、現実の世界をいろんな立場で見なさいと教えてくれています。
ヒストリアの視点で描かれた「暁の鎮魂歌」
そしてクライマックスへ
これまで述べたように「暁の鎮魂歌」の1番はヒストリアの物語です。
「王政編」がヒストリアを軸に物語が展開しています。
シーズン3ではヒストリアの生い立ちが明らかになりました。
「暁の鎮魂歌」にはヒストリアの目を通して「進撃の巨人」が描く世界の現実が歌われています。
彼女が背負っている死者の魂は、作品の中で描かれていきます。
そしてシーズン3はシリーズ全体を通して前半最大の山場になります。
Linked Horizonはオープニングに戻るか
もし、シーズン3の後半でテーマ曲が代わるならリンホラが再びオープニングに戻るかもしれません。
そうなればエンディングは新たなアーティストが担当するでしょう。
シーズン2のエンディング「夕暮れの鳥」を作曲した「の子」は放送の1年半前に発注があったと語っています。
そうするとシーズン3の後半でテーマが代わるなら、すでに収録が終わっているかもしれません。
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