日々は過ぎ去っていく

晴れた空の青さすらもう
雲に隠れた雨の行方も
誰も知らないままに消えていく

出典: 決戦前夜/作詞:Sano ibuki 作曲:Sano ibuki

晴天の時の空の抜けるような青や、雨が降り注ぐ様子。

それに対して主人公は無常を感じているのかもしれません。

日々の中で全てが過ぎ去っていくその様子に時の流れを実感しているのです。

日々の中で周りの景色を見つめながらも、どこか空虚な気持ちを抱いていることが分かります。

世界との繋がり

未来へ繋げる

あの光を追いかけていた あぁ
どんなに寂しくても泣かないように
心が騒いでも笑えるように

出典: 決戦前夜/作詞:Sano ibuki 作曲:Sano ibuki

1行目の「光」というのは一体何を指しているのでしょうか。

ここから連想するのは希望といった言葉でしょう。

明るい未来のことを考えることで今という時間が辛くても前へ進むことができます。

寂しかったり悲しかったりしても、将来のことを考えれば頑張れる。

主人公にとって夢が自分の原動力になっている側面もあるのでしょう。

この「光」は彼にとって前向きになるための道標なのです。

過去を抱きしめて

呼吸のように過ぎ去った日々すら
抱きしめて ほら
この世界に僕はいる

出典: 決戦前夜/作詞:Sano ibuki 作曲:Sano ibuki

しかし、未来ばかりを見て夢見がちになっている訳ではありません。

彼にとって、未来と同様に、過去の出来事も原動力なのです。

いつの間にか過ぎ去って行った日々。

しかし、そこでの経験というのは自分自身の身体に染み付いています。

そしてこれまでの経験を思い返すことで世界との繋がりを再確認しているのでしょう。

自分がこの世界にいるのだということを実感することは難しいように思います。

今という時間が常に更新されていく中で、自分が自分であることを認識する。

自分が一体誰なのかを規定しているのは、過去の出来事の集積であると考えられます。

自分という存在の不確かさを払拭するために、過去を振り返っているのでしょう。

道を進む覚悟

誰かからの言葉

何者でもないからさ
何者にでもなれるんだと
教えてもらった 言葉が
夕焼けと共に 蘇った

出典: 決戦前夜/作詞:Sano ibuki 作曲:Sano ibuki

特別な存在になりたいという気持ちは、誰にでもあるものです。

1〜2行目ではその気持ちに対しての回答がなされています。

何でもないからこそ何にでもなれる。

何でもない状態が1番自由であり、身軽なのだと伝えているのでしょう。

主人公は誰かから教わったその言葉を思い出し、何かを悟っているように感じます。

感傷的になる夕焼けの光を見ながら彼は過去の思い出と向き合っているのかもしれません。

そこから思い出させられた知人からかつて貰った言葉が、彼にとって今必要な言葉だったのでしょう。

想いを抱きしめて

ポケットに忍び込ませた
伝えられない想いの
ひとつを守るためなら
幾つでも僕は 失えるんだ

出典: 決戦前夜/作詞:Sano ibuki 作曲:Sano ibuki

大切な人に対して伝えそびれた自分の気持ち。

それを抱えながらもその気持ちが自分にとっての大切な感情であることを自覚している主人公。

その気持ちがあるからこそ自分は前へと進めると考えているのでしょう。

彼にとってはお守りのようなものなのかもしれません。

他に何を失っても、それがあるからこそ生きていける。

そんな彼の気持ちが伝わってくる歌詞パートです。

闇と光