それもまた、運命
出会いは偶然だった 事実だけど
それっぽい理由がほしいの 運命とか…
出典: LOVEペディア/作詞:児玉雨子 作曲:オオヤギヒロオ
1番のAメロから。
具体的な恋愛対象の男性が登場します。
女性であれば「運命の出会い」を夢見ることは普通のことでしょう。
しかし実際には、なかなか起こらないもの。
学校が一緒だったりだとか、友達のつながり、職場など…。
“運命”と呼ぶにはあまりにも普通すぎる…。
現実的には、そういったケースがほとんどなのではないでしょうか。
しかし、だからこそ、人は運命というものを追い求めるのかもしれません。
でも今回の出会いはどう考えても“偶然”だ…。
だから、とりあえずそれっぽい理由をつけて気分を上げたいようですね。
でも、その人を好きになったのなら、何か感じるものがあったはず。
本来なら、それだけで十分に“運命”だと捉えて良いのだと思います。
不確定なあなた
あなたってWho!? やりとり重ねるたび
増えてゆく恋愛不確定度(エントロピー)
出典: LOVEペディア/作詞:児玉雨子 作曲:オオヤギヒロオ
「あなた」について知ろうとすればするほど、「あなた」がどんな人か分からなくなる…。
そういった経験は多くの人が持つかもしれません。
人間とは非常に多面的な生き物で、1人の人にも多くの顔があるでしょう。
「この人はこういう人」と、まるで血液型占いのように断定することはほぼできません。
穏やかな人だと思っていたのに、突然とあることがきっかけで激怒するなんてよくあることです。
また、若いころはやんちゃな性格だったのに、大人になって落ち着く人もいます。
人の多面性と、常に変化し続けるという性質の2つを理解しておく必要があるということ。
このように「よく分からない」という感情を2行目の「不確定度(エントロピー)」と言っています。
不確定だからこそ…
熱力学および統計力学において定義される示量性の状態量である。熱力学において断熱条件下での不可逆性を表す指標として導入され、統計力学において系の微視的な「乱雑さ」を表す物理量という意味付けがなされた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/エントロピー
つまり、いろいろな意味があるということです。
しかしここでの文脈では、統計力学のエントロピーだと思われます。
確率論の話で「複雑さ」や、ここにあるように「乱雑さ」、そして「不確定さ」ということです。
代数的に未来の状態が計算で求められないのが、現実。
彼のことだって、方程式を解くように答えが出せるわけではありません。
複雑な中に、不確定な「ゆらぎ」があって、数秒後の自分の感情は自分にさえ分かりません。
そんなよく分からないものについて、辞書に説明が載っているわけありませんね。
「愛」という感情についてもまったく同じと言えるでしょう。
誰にも分からないものが、まさか親切丁寧に載っているわけがありません。
しかしだからこそ、そこには楽しさや喜びがあるのだろうと思います。
知りたいことに限って「非公開」
きらめいた City light
送れない “逢いたい”
シェアしまくり時代
でも 知りたいことばっか
非公開
出典: LOVEペディア/作詞:児玉雨子 作曲:オオヤギヒロオ
1行目から、きっと時間帯は夜。
街の明かりがきらめいているからです。
スマートフォンに映るその文字を、相手に送れずに悩んでいますね。
SNSにログインすれば、誰かがシェアボタンを押したニュース記事などが簡単に目に飛び込んできます。
でも、今知りたいのは「あなた」がどこでどうしているか、ということ。
あるいは、どんなことを考えているのか、自分のことをどう思っているのか?
そういった、本当に知りたい情報はSNSでは流れてこないのです。
彼の方も、その情報をいつでも誰にでも話しているわけもありません。
本当の気持ちとか、プライベートなことは基本的にはみんな「非公開」にしているのですね。
MVでは「LOVEペディア」は辞書や百科事典なので「本」の形をとっていました。
しかし、スマートフォンも「LOVEペディア」たり得るかもしれません。
携帯電話だって、今では当然「辞書代わり」なのですから。
やっぱり非公開にしたい
無いなら作ればいい!
誰かに訊いたとこで納得するの?
愛の定義 あなたと作ってみたい
出典: LOVEペディア/作詞:児玉雨子 作曲:オオヤギヒロオ