『徒然草』序段をテーマに作られた曲
「つれづれなるままに…」
鎌倉時代に吉田兼好が綴ったとされている『徒然草』。
「つれづれなるままに…」の出だしはあまりに有名ですが、その内容はご存知でしょうか?
今回ご紹介するSaucy Dog(サウシードッグ)の『雀ノ欠伸』という曲は、その内容を元に制作された曲なんです。
「サントリー天然水 GREEN TEA」のプロモ企画、 「徒然なるトリビュート」第4段として発表された同曲の歌詞を中心に解釈してみました。
まずはどこかへ出かけたくなる爽やかなMVからチェックしてみましょう!
MVをチェック!
道端で待ち合わせして向かった場所とは

道端に車を停めて誰かを待っているボーカルの石原さん。
彼に合流したのはSaucy Dogの他のメンバー二人でした。
3人は車に乗り込み軽快に走り出しますが、どこへ向かうのでしょうか?
車はかわいらしいミニバス。レトロな雰囲気もあって良いですね。
天気は気持ちの良い快晴で、バスの中で寝ているメンバーも。
バスが到着したのは大きな木が立っている広大な広場。
俯瞰視点でバスとメンバーを映しているので、余計に広く見えますね!
3人はそこへテントを張り、セッションを始めます。
また、バーベキューをしたり、トム・ソーヤのように木の上の秘密基地で遊んだり。
秘密基地にはブランコもあり、乗っている姿が見られますが楽しそうです。
大きな木の下で
ミニバスを背景にやや不安げな表情のメンバーも。
爽やかにアウトドアを楽しんでいる反面、心には悩みもあったりするんだよというのを表現しているのでしょう。
大きな木の前で演奏するSaucy Dogの姿は楽しそうで、こちらも笑顔になってしまいます。
木の下に座っているショットもありましたが、随分と大きな木だということが分かりますね。
最後はその象徴的な木を下から映してゆき、真っ青な空を映すというショットで終了。
ちゃんとラストシーンには「サントリー天然水 GREEN TEA」も登場。
奥には談笑するメンバーたちの姿も見られます。
終始、爽やかな映像で、なんだか観ているこっちまで心が軽くなった気がしますね。
さて、次からは歌詞について解説していきたいと思います。
歌詞を解説!
後悔しないように
嗚呼、平成乱世から今日は少し離れて
画面じゃなくて自分を見つめてみようかな
そこに本当の僕がきっと待ってる
できなかった事は大体 先延ばしにしていた事だったり
あの時やっておけばなんて もう後の祭りだったり
今しかないを今やっておかなきゃな 後悔する前に
出典: 雀ノ欠伸/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
「平成」という時代は一概に「良い時代」であったとは言えない部分もあります。
特に実際に平成に生まれ、育ってきた世代はそれを感じていることでしょう。
令和になる前に書かれた歌詞なのかもしてませんが、元号が変わっても引き続き厳しい時代が続きます。
悲しいニュースなどがインターネットの発達もあり、いち良く知ることができるように。
そういった心が痛む出来事から少し離れてみることも時には必要です。
社会の情報を追うのではなく、今日は自分に集中してみる…
『徒然草』序段で吉田兼好が言っている内容はほぼ同じ内容になります。
今、何を自分はすべきなのかをきちんと確認し、実践していこうと呼びかけています。
情報に流されていくうちに自分がやらなければいけないことを見落とすな…と言いたいのかもしれません。
新しい朝に希望を感じて
明日はオレンジの風が吹く
カーテンの向こう側 新しい朝に希望を感じてる
君もそうかな?
周りの表情や態度なんか 一々気にせんでいいから
マイペースでもっと 自分なりの一歩で良いんだよ
危機感を持てとか時間が無駄とか
ちょっと邪魔しないで!
出典: 雀ノ欠伸/作詞:石原慎也 作曲:Saucy Dog
この歌詞では聴いている人へ親し気に呼びかけている内容です。
目線を合わせて話してくれている感じがしますね。
「オレンジ」はどんなイメージを抱く色ですか?
きっと明るくて陽気なイメージでしょう。
朝、起きてカーテンを開けると差し込んでくる朝日の色…なんてことも表しているのかもしれません。
この歌詞の主人公は、朝に「今日も一日、頑張るぞ!」といったような前向きな気持ちを抱くようですが…
「君」はどうやらその真逆のようです。
仕事をしたくない、学校に行きたくないといったような憂鬱な気分なのかも。
他人と比べると自分なんて…という風に自分に自信が無い様子。
そんな「君」へ主人公は優しく励ましの言葉を投げかけます。
周囲を気にせずに自分のペースで進もうと。
その言葉には「頑張れ!」ではなく「無理をしないでね」というような思いやりを感じますね。
自信を失くしている人へ「頑張れ!」というと逆効果な場合があります。
すでに頑張っていることもあるからです。
「これ以上どう頑張ればいいの?」と思ってしまうことも。
そんな時、この歌詞の主人公のように「ペースを落としてみたら?」と労わってくれる方が助かることもあります。
石原さんの人柄が伝わる内容ですね。