バンプの歌詞の世界を一気にチェック
人気ロックバンドとして、押しも押されもせぬ地位を確立したBUMP OF CHICKEN。
彼らの歌の魅力の大きな要素、そのひとつが歌詞の世界です。
この記事では2018年時点でのBUMPの人気曲。
その中でも歌詞が印象的な楽曲をランキング形式でまとめました。
弱さに寄り添い、力強く明日へ背中を押してくれるBUMP OF CHICKEN。
その歌詞の魅力を改めて確認していきましょう。
10位:ハルジオン
基本情報とおすすめ歌詞ポイント
BUMP OF CHICKENの通算4枚目となるシングルとして2001年にリリースされた「ハルジオン」。
日本では道端でよく見ることができる“ハルジオン”は現在雑草の代表格かもしれません。
そうした植物を敢えて楽曲タイトルに持ってくるのが何ともBUMP OF CHICKENらしい気がします。
生きていく意味を 失くした時
自分の価値を 忘れた時
ほら 見える 揺れる白い花
ただひとつ 思い出せる 折れる事なく 揺れる
出典: ハルジオン/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
ハルジオンは多年草で、日本では春先~夏くらいにかけてよく見かけます。
普段は見慣れ過ぎて気にも留めないことが多いですが、私たちの生活に寄り添っている花という意味では本当に“すぐそばで日々を応援してくれている”感じもします。
普段の登下校や通勤などの道でいつもこの花を見ていたら、何かとても心が折れるようなことがあった時に変わらず咲いている姿に支えられる瞬間がありそうですよね。
歌詞のここを深堀り!
ハルジオンという花は決して華やかで派手な花ではありません。
ですが、まっすぐに立つ姿は見るものに勇気をくれる花。
歌詞を追っていくと、主人公は何度となく苦しみ心折れていることがわかります。
何度やってもうまくいかず、嫌になってしまったり。
自分はどうせだめなんだと拗ねてみたり。
そんな気持ちになることがある人は多いでしょう。
そのときに思い出してほしいのがこの1曲です。
道端で踏みつけられても、誰にも顧みられることがなくても。
まっすぐ背筋を伸ばし自分らしい花を咲かせる姿。
その姿はまさしく「信念」と呼ぶにふさわしいものといえるでしょう。
苦しみ立ち止まった時、自分が本当にやりたかったことを忘れてしまった時。
心の片隅で揺れている、真っ直ぐな白い花。
そんな花を描く1曲を、是非思い出してみてください。
9位:ギルド
基本情報とおすすめ歌詞ポイント
「ギルド」はBUMP OF CHICKENの通算4枚目(メジャー2枚目)のアルバム『ユグドラシル』に収録されている楽曲です。リリースは2004年。
タイトルは中世ヨーロッパの“同業者組合”を指し示す言葉である“guild”を元にしています。
楽曲「ギルド」が完成してから約2年が経った2006年に、この楽曲をモチーフにしたMVが作られることになりました。
その際にボーカル藤原の想いを生かす形でMVは人形劇のように作られ、『人形劇ギルド』として2006年に映像化されました。
奪われたのは何だ 奪い取ったのは何だ
繰り返して 少しずつ 忘れたんだろうか
汚れちゃったのはどっちだ 世界か自分の方か
いずれにせよ その瞳は 開けるべきなんだよ
それが全て 気が狂う程 まともな日常
出典: ギルド/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
タイトル「ギルド」がそもそもは中世ヨーロッパの職業集団を指し示すことが先述の通りです。
ただおそらく、ここでは職業や仕事というより“労働”を表しているのではないかと筆者は思います。
生業や仕事・職業であれば、前向きに取り組んでいる人もいますが、“労働”というと少し“やらされてる感”や“生きていくうえで仕方ない感”を感じませんか?
この「ギルド」の歌詞を見ていると、そうした“強制力の働いている仕事=労働”のように思えます。
そしてきっとこの世界観で語られる“労働”とは人間でいることを指しているように感じます。
私たちは社会の中で、自分の希望通りできることばかりではありませんが、そのことに悲嘆だけしていても日常は上向きになりません。
人間として生きていくために、堪え・汚れ・奪い奪われることを繰り返しながら刻む日常をできれば愛していたいと歌っているのでしょう。