猿のジャケット

ミスチルの「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」歌詞解釈!そこに隠された意味とは?の画像

本曲のジャケットはお茶目な猿とバナナを思わせるシーソーが印象的です。

桜井和寿は、猿に戻った気持ちで新たにリスタートしたい、という心境だったようです。

人類の起源にまで遡るほどの、スタートとはなかなか思い切った表現ではないでしょうか。

MVでもメンバーが猿になっているという、なかなかシャレの効いた歌となっています。

本作で発生するCD売上金や印税は全て発売年の1月に発生した阪神・淡路大震災の義援金に充てられた。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~

1995年1月に起きた大震災は、ちょうどこの歌がリリースされる7カ月前の出来事です。

時代を元気にする歌として多くの人に歌われました。

しかし、何と作詞をした本人が歌詞の意味が不明すぎる、という理由でライブではあまり登場しないのだとか。

一方ファンからの人気は高い、という面白い名曲なのです。

では、桜井和寿が自ら意味がわかりにくい、といった本曲の歌詞を紐解いていきましょう。

「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」の歌詞を紐解く

恋に落ちた瞬間

愛想なしの君が笑った
そんな単純な事で
遂に肝心な物が何かって気付く
打ち明け話にあった純情を
捧げたって奴に
大人げなく嫉妬したりなんかして

出典: シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

20年以上前の曲なのに、なんだか最近の合コンの席での場面を想像させるような導入部分です。

愛想の悪い意中の女性がふと笑っただけで、そんな些細なことの大切さに気付いたり、恋愛遍歴を見せ付ける仲間を羨んだりしています。

この歌の主人公は恋愛が得意ではなく、経験もそんなに多くないことが伺えます。

いつもは愛想のない彼女なので、特に意識はしていなかったのでしょう。

でもそんな彼女がちょっと微笑んだ時、彼は思いもよらず恋に落ちてしまったのです。

おそらく彼女の微笑は、恋のスイッチだったのではないでしょうか。

彼は愛想のない彼女を前々から気にしていたはずです。

打ち明け話にあった純情を
捧げたって奴

出典: シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

この「奴」のもう一つの解釈は、彼女が語った過去の男という解釈です。

彼女が純情を捧げた過去の男に嫉妬したのではないでしょうか。

もうすでに別れて、彼女の中では過去の男のはずです。

そんな昔の相手に嫉妬する彼は、完全に彼女に恋をしたのでしょう。

今まさに、彼は自分の恋心に気がついたのかもしれません。

恋なんてエゴ

ねえ 等身大の愛情で
挑んでるのに 世間は暗い話題
恋なんて言わばエゴとエゴのシーソーゲーム Ah
いつだって君は曖昧なリアクションさ

出典: シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

それぞれがそれぞれの愛情を持っているのに、うまくいくことばかりではないのが恋愛の難しいところです。

経験は多くないのに自分の愛情の注ぎ方を肯定しようとしているところから、今で言うちょっと「こじらせてしまっている」感じが受け取れます。

彼なりに全力で愛をぶつけているのに、上手くいかないようです。

世間が暗いから自分もハッピーになれないんだ。

自分の恋が実らないことを、周囲のせいにしている姿が映し出されています。

恋はしょせん、お互いの好きというエゴを押し付け合っているだけだ、と彼はいっています。

どちらかの想いが重い、いわばシーソーのようでありぴったりとつりあうことはないと思っているのです。

そして彼の恋する相手は、いつも曖昧な答えを出しています。

デートに誘っても上手く交わされてしまうのでしょうか。

彼が全力で愛を捧げても、全てを受け止めようとはしないのでしょう。

勇敢に恋に立ち向かう

ミスチルの「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」歌詞解釈!そこに隠された意味とは?の画像

友人の評価はイマイチでも She So Cute Ah
順番を待ってたんじゃつらい
勇敢な恋の歌

出典: シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

そして、サビに入ってきます。やはり自己肯定でした!

要するに等身大の愛情とはエゴであり、互いに自分勝手を押し付けあうのでうまくいかなくても仕方がないし、周りの意見なんて関係ないわけです。

それなら機を窺っているだけではダメで、どんどん行動に移していこうという気合いが感じ取れます。

しかし、この勇敢さは正しい勇敢さなのでしょうか。

もう一つの解釈としては、彼女への評価はいまいちの様です。

冒頭に愛想が悪い様子が描かれていたので、周囲の友人はどうして彼女を好きになったのか理解できないのでしょう。

周囲は「可愛くない」「やめておけ」という意見なのではないでしょうか。

しかし彼にとっての彼女は、とても可愛らしい存在なのです。

彼氏の座の順番待ちなんてしていられない、彼女にどんどんアピールしていくという気持ちが溢れています。

振りむいてくれない彼女、彼の片思いは勇敢にも続くのです。