「大嫌い」の言葉に隠された苦悩や葛藤
すれ違う恋人たちの心情に胸が張り裂けそうになる、當山みれいの『大嫌い feat. さなり』。
曲の中では、彼氏と彼女、それぞれの後悔が歌われています。
そばにいるだけで幸せだと思えた。
そんな日々は終わりを告げ、2人の間には埋まらない溝ができてしまいます。
永遠だと信じていたのに、どうして……。
そんな涙にぬれた声が聞こえてきそうです。
「大嫌い」その言葉の裏には、さまざまな苦悩や葛藤が隠されていました。
ラストシーンに涙...
MVでは、一組のカップルの幸せな日々と、すれ違い、そして別れが描かれています。
2人の間には、確かな愛があったはず。
それにも関わらず、2人の心は離れていってしまいました。
笑顔で溢れていた日々が、次第に遠くなっていく。
ラストシーンで涙を必死に堪えている彼女の表情に、胸が痛くなりますね。
2人の心の距離
MVにはカップルだけでなく、當山みれいとフィーチャリングのさなりも登場します。
しかし、當山みれいとさなりが歌っている場所は、互いに別々。
これは、すれ違いの末、最後まで分かりあうことができなかった彼氏と彼女の距離を表現しているのでしょう。
互いに互いのことを想っているのに、その気持ちは相手に伝わらない。
2人の後悔が胸に突き刺さります。
幸せだったあの頃に戻りたい。
2人の願いは同じだったはずなのに、どうして別れることになってしまったのでしょう。
彼女と彼氏、それぞれの心情の変化に注目しながら、MVを深く読み解いていきます。
幸せな日々はもう戻らない
MVは彼女が薄暗い部屋に1人で座っているシーンから始まります。
その対比となるように映し出されるのが、彼氏と2人で仲良くデートをしているシーン。
2つのシーンの温度差があまりに残酷で、見ているだけでも辛い気持ちになりますね。
別れを決意した彼女
部屋に1人でいる彼女のそばには、大きなスーツケースがあります。
それ以外のものは何もなく、カーテンも取り外されているのが分かりますね。
どうやら彼女は、この部屋から出ていくようです。
部屋を出た後は、きっと彼氏の知らない場所へ行くのでしょう。
薄暗い部屋と彼女の着ている黒い服が、悲壮感をより強く演出しています。
窓のそばに座り込んで、携帯を見ている彼女。
彼氏と過ごした日々を思い出しているのでしょう。
彼女の表情からは、どうしようもできないほど大きな喪失感がうかがえます。
それでも引っ越しを決めたくらいですから、別れるという彼女の意思は簡単には覆らないのでしょうね。
巡る季節を2人で過ごした
薄暗い部屋のシーンからは一転し、デートのシーンでは2人の幸せそうな様子が映し出されます。
2人の服装が度々変化していることから、季節の移り変わりを感じることができますね。
巡る季節を、2人並んで歩いていく。
そう約束したこともあったかもしれません。
また、部屋に1人でいるシーンとデートのシーンで、彼女の服装が大きく異なるのも注目すべきポイント。
きっとデートの時は、彼氏に可愛いと思われたくて、お洒落に気を遣っていたのでしょう。
服装だけでなく、髪型も変えているところに、彼女のいじらしさが伝わってきます。
別れを決意した時は、とてもお洒落をする気にはなれなかった様子。
真っ黒なワンピースに身を包んだ彼女は、深い悲しみに暮れているように見えます。
不満が2人を隔てる壁になる
2人で過ごす時間が長くなるにつれ、すれ違うことも増えていったのでしょう。
小さな不満が積もり積もって、やがては2人を隔てる壁が出来上がる。
そんな風にして、この2人は別れることになってしまったのかもしれません。
