はじめに
40周年記念アルバムに収録
【たとえ世界がそっぽ向いても】は、原作・笹本稜平によるテレビドラマ『駐在刑事Season2』の主題歌。
取り調べ中に容疑者が自殺したことで、捜査一課から駐在所へ左遷された警察官が主人公の推理ドラマです。
ちなみに、アニメ・ゲーム関係の仕事ではカタカナ表記のオーイシマサヨシ名義で活動しているようです。
2020年2月7日にインターネット配信が開始されました。
MVのご紹介

Sony Musicの公式チャンネルでMVが公開されています。
残念ながら視聴できるのは曲の一番部分のみ。
しかし鈴木雅之らしいダンディでムーディーな雰囲気が十分感じられます。
MVの内容はシンプルにレコーディング風景を切り取ったもの。
サングラスが特徴的な鈴木雅之のとなりでアコースティックギターを弾いているのが大石昌良です。
嘘?罪?あるとき別れてしまった二人
あの日のことを思い返す
懐かしくなってもう一度
解けた日々を なぞり返した夜の淵
最後に交わした優しい二人の嘘は
罪と呼ぶべきでしょうか
出典: たとえ世界がそっぽ向いても/作詞:大石昌良 作曲:大石昌良
主人公はある夜に、誰かと交わしたやりとりについて思い返している様子。
そのやりとりの内容は自分にとって不本意なものだったのでしょうか?
「嘘」だったと表現されています。
また、さらに言い換えて「罪」だったと。
そこまで主人公が胸を痛める誰かとのやりとりとは、どのようなものだったのでしょう。
一体どれくらい前のことなのか?
そのやりとりを交わした相手とはどのような関係だったのか?
そしてその内容とは?
それらについて知るためにこの先の歌詞をたどってみることにしましょう。
かつて別れた二人
さよなら また会う日まで
手を振るこの場所を頼りに必ず巡り会おう
出典: たとえ世界がそっぽ向いても/作詞:大石昌良 作曲:大石昌良
先ほどのパートからも分かるように、二人はもう一緒にいないようです。
かつてとある場所で別れた二人。
いつの日か再会することを約束して…。
しかし主人公はそのときの言葉を「嘘」だったと考えているのでしょうか?
もう会えないと分かっていながら相手と別れたのかもしれません。
そして相手も同じように思っていながら主人公と別れた可能性があります。
少なくとも回想している時点でまだかつて別れた相手とは再会するに至っていません。
人生は出会いと別れを繰り返すもの
人は誰もがきっと旅人
長い道の途中で 出会ったり別れたり繰り返しながら
だけど街は君を待ってる 君の帰りを待ってる
たとえ世界がそっぽ向いても
出典: たとえ世界がそっぽ向いても/作詞:大石昌良 作曲:大石昌良
サビのパートの歌詞はこのようになっています。
かつて自分の気持ちに嘘をつきながら相手と別れた主人公。
人はその長い人生のなかで出会いと別れを繰り返していくものだ、としています。
そうすることであのときの自分の行動を正当化しようとしているようにも見えます。
だけれども、これは事実だといえるでしょう。
ライフステージがめまぐるしく変わっていくにつれて、関わる人も入れ替わっていきます。
何十年も付き合い続けている親友がいる人もいるでしょう。
学校、職場、趣味といった、その人が一日の多くの時間を過ごす環境は変化していきます。
そういったなかに出会いと別れはつきもので、何十年も同じ人と過ごすことは難しいことです。
主人公の過去はいみじくも正当化されてしまっています。