パンドラの箱とは、ギリシャ神話にも登場するあらゆる災いが詰まった箱のこと。
女性の鼓動が聞こえる距離に近づいたのでしょうか。
あるいは女性も気持ちが高まっていることがわかったのかもしれません。
それによって、とどめを刺される。
不可抗力で身体が反応してしまうという表現から、それがわかります。
読んでわかる通り、3、4行目の文末で韻を踏んでいますね。
でも焦らない!
知りたいだけ どれだけこの愛に
色 色 色んな形があるのか?
急がないで始める adventure
後で激しく満たされる
出典: Despacito/作詞: Luis Fonsi, Erika Ender, Ramon Ayala 日本語訳: TEE 作曲: Luis Fonsi, Erika Ender, Ramon Ayala
頭では冷静に、この愛は具体的にどうなっていくのかを知りたいだけだと歌います。
それはまるで冒険のよう。
今は彼女のことを早く知り尽くしたくてじりじりしている。
けれど知り尽くした後は、気持ちが満たされる。
だから、今は焦らずいこうと歌っています。
気持ちを通わせていく
Pasito Pasito 優しく そっと
身を寄せ合うたびに俺がリード
熱く固まった 思いが連鎖
小悪魔のような目で甘えんだ
出典: Despacito/作詞: Luis Fonsi, Erika Ender, Ramon Ayala 日本語訳: TEE 作曲: Luis Fonsi, Erika Ender, Ramon Ayala
男女の相互の描写があり、2人が気持ちを通わせている様子がわかります。
Pasitoは、ちょっと一歩、という意味。
Despacitoと少し似ていますよね。
ここでも一貫して、少しずつ、焦らずに距離を縮めたいというスタンスが読み取れます。
男性が優しくリードし、女性がそれに対して甘える。
幸せそうに男女が踊っているようです。
韻は、1、2行目の文末で「o」の音で、3、4行目の文末で「a」の音で踏んでいます。
葛藤はつづく
Pasito Pasito 優しく ぎゅっと
絡み合う度見せるその表情
美しさはまるでパズルのよう
誰よりも一早く complete
出典: Despacito/作詞: Luis Fonsi, Erika Ender, Ramon Ayala 日本語訳: TEE 作曲: Luis Fonsi, Erika Ender, Ramon Ayala
引き続き、男女が気持ちを通わせている描写。
一緒に過ごす時間が増えるのに比例して、彼女の様々な表情を見ることができる。
お付き合いの経験がある人ならわかるはず。
デートを重ねる毎に、相手のクセや好みが少しずつわかってきます。
そうしたわかってくること1つ1つを、ここではパズルという比喩で表現。
誰よりも君というパズルを1番に完成させたい。
つまり、君のことを知り尽くしたいのです。
ゆっくり、焦らずという一貫したスタンスですが、頭の中では気持ちがやはり抑え切れません。
韻は、全行で「o」の音で踏んでいます。
原曲への敬意
Despacito この音 from プエルトリコ
楽園に君だけエスコート 永遠に君の中でもっと
出典: Despacito/作詞: Luis Fonsi, Erika Ender, Ramon Ayala 日本語訳: TEE 作曲: Luis Fonsi, Erika Ender, Ramon Ayala
1行目で、この曲はプエルトリコの音楽だと歌っています。
ここに原曲への敬意を感じられないでしょうか。
また、これが翻訳の良さであり上手さでもあります。
原語のままで歌えば、こうした翻訳者の意図を含めることができません。
翻訳だからこそ、日本語での表現ができるのです。
歌詞の2行目では、楽園を幸福の比喩として使用。
2人の世界で、君だけを幸福にしたいという気持ちが読み取れます。
ちなみに韻は、全行の文末を「o」の音で踏んでいます。
おわりに
原曲の発祥から音楽のジャンルをふまえ、歌詞を解説してきました。
ゆっくり距離を縮めたいけど、頭の中では彼女への思いが止められない。
次第に彼女と気持ちを通わせることができる。
でもやっぱり頭では早く彼女のことを知り尽くしたい。
このじりじりした感じが、恋心を効果的に表現しています。
TEEの日本語訳や韻の取り入れ方も非常に上手く、原曲を生かしたまま自身の作品として歌い上げている。
それがおわかりいただけたと思います。