ATSUSHIと久石譲のコラボシングル「懺悔」
EXILE ATSUSHIと久石譲がタッグを組んだシングル「懺悔」は、2013年10月16日に発売。
特別展「京都ー洛中洛外図と障壁画の美」のテーマソングとして発表され話題を呼びました。
EXILEやATSUSHIのファンでなくとも、展覧会を観に行った方なら、覚えておいでの方も多いのではないでしょうか。
久石譲ってどんな人?
久石譲(ひさいしじょう)はもともと現代音楽の作曲家ですが、有名なのはやはり映画音楽でしょう。北野武や宮崎駿をはじめ、彼が手がけた映画音楽は数知れず。
またサントリー「伊右衛門」などのCM音楽にも代表作が多く、私たちは知らず知らずのうちに、久石譲がつむぎ出すメロディーに日々接しているのです。
久石譲の音楽的特徴
現代音楽に出自を持つ久石譲の音楽的特徴。それは「ミニマル・ミュージック」と呼ばれるものです。
ミニマル・ミュージック (Minimal Music) は、音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ミニマル・ミュージック
現在はクラシック音楽に転向した久石譲ですが、同一の音型を反復する傾向は変わりません。
今回ご紹介するコラボシングル「懺悔」でも、ATSUSHIのボーカルの背景に流れるピアノの旋律で、同じ音型を繰り返し繰り返し使っています。
ATSUSHI入魂の詞世界との相乗効果で、私たちをめくるめく時空の旅へと誘う久石譲。魔訶不思議な音のマジックが隠し味になっています。
展覧会の帰りに作詞!ATSUSHIが書いた「懺悔」の詞
特別展「京都ー洛中洛外図と障壁画の美」のテーマソングとして発表された「懺悔」。
曲作りに先駆けてATSUSHIは、久石譲と2人で展示を鑑賞したそうです。展覧会の帰りの車中で、湧き出るインスピレーションをメモに書き留めたとATSUSHIは言います。
時間にしてわずか1時間足らず!頭に浮かんだ想いを箇条書きにして、歌詞を書き上げていきました。
洛中洛外図屏風とは?
ATSUSHIが鑑賞した洛中洛外図屏風(舟木本)は江戸時代の作品。500年前の京都に暮らす人々の営みが、上空から見下ろす形で事細かに描きこまれています。
ドローンもヘリコプターもない時代に描かれたとは思えないほど、その描写は恐ろしく緻密で生気に満ち満ちています。屏風の中の人物や風景が、今にも動き出しそうな熱気を帯びているのです。
アーティストATSUSHIもこの屏風と対峙してみて、感じるところが多々あったのではないでしょうか。
和洋折衷のPV映像。その狙いとは?
日本美術の展覧会であるにもかかわらず、「懺悔」のプロモーションビデオにはお寺や神社ばかりでなく、キリスト教会が頻繁に登場します。
PVを発案したATSUSHIは、人類が営々と築き上げてきた芸術や繰り返してきた過ちを、洋の東西を超越するイメージで表現したかったと述べています。
狭い意味での日本史ではなく、広い意味での人類史の1ページ。ATSUSHIの目に洛中洛外図屏風はそう映った、というわけですね。
「懺悔」の歌詞でATSUSHIはリスナーに問いかける
和洋折衷のプロモーションビデオがこちらです。じっくりと目を凝らしてご覧ください。ATSUSHIが発するメッセージに耳を傾けてみてください。