線路の上を歩く…つまり電車にひかれるかもしれない危ない状況を自ら作るということ。
誰かの気を引きたい一心で行動に移したようです。
しかし、自分の行動を客観的に見てむしろ気分が沈んでしまった少女。
ここでの「自由」とは「死ぬことで今の辛い現状から解放されること」を意味するのだと思います。
つまり、彼女が本当に望んでいるのは辛い今からの脱却。
死ぬことを望んでいる訳ではないのです。
彼女は死にたいと言いながらも、誰かの救いを必死に求めています。
自分が苦しみ抜いた世界は「ちっぽけ」
劣等感に焦燥感で
死んでしまいたくなった日も
キリトリ線に沿って刻んで
斜めから見下ろしてみれば
ちっぽけな世界さ
出典: 病ンデル彼女/作詞:マモ 作曲:マモ
彼女が持つネガティブな感情は、日々の苦痛が生み出した産物。
あまりの辛さに「死」を選んでも客観的に見れば自分は狭い世界に生きているのです。
そして、さんざん味わった苦しみも、死んでしまえば一瞬で終わってしまう。
いざ「死」を実行しようとしたとき、自分の見ていた世界の「ちっぽけさ」に気が付きました。
力強い言葉「生きろ」
安定剤効かない脳内
繊細そうで感情の無い瞳してる
そんな君に恋して
不安定なって精神崩壊
介抱だって全身全霊
非現実に逃避 真っ赤に染まれ
病ンデル彼女
メンヘラ彼女
病ンデル彼女
メンヘラ彼女に言いました
「生きろ」
出典: 病ンデル彼女/作詞:マモ 作曲:マモ
ラストのサビに入りました。
酷く病んでしまった彼女と、必死に救おうとする主人公。
死と生の境界を彷徨い人の気を引こうとするのは、いわゆる「メンヘラ」と言われる行為です。
最後に主人公は彼女に「メンヘラ」という言葉を使っていますね。
一般的にネガティブな意味合いで使われる言葉ですが、ここではむしろ肯定的な印象を受けます。
苦痛に堕ちた彼女をそのまま受け入れているのではないでしょうか。
そして最後の「生きろ」という発言。
病んでてもいい。
メンヘラでもいい。
とにかく生きてほしい。
苦しくてたまらないだろうけど、生きてくれ。
そんなメッセージを感じられますね。
彼女にとってこの言葉は、まさに救いの一言だと思います。
こんな状態になっても受け入れてくれる人がいたら、深い安心感で満たされるのではないでしょうか?
そしてこれが、この歌詞に共感する人にむけたR指定からのメッセージなのだと思います。
辛い現実でも生きてくれ。
そう聴き手に歌っているのだと思います。
最後に
R指定の代表曲「病ンデル彼女」はいかがでしたか?
苦しい現状を生きる人や、苦しんでいる誰かを救いたい人にとって、心に響く内容だったのではないでしょうか?
ヴィジュアル系を深く知らない人からすると、刺激的な歌詞の羅列に驚くかもしれません。
鋭い言葉のインパクトにネガティブな歌詞をイメージする可能性もありますね。
でも、深く読み取ると「居場所のない人へ向けた温かいメッセージ」なのだと気が付きます。
退廃的な歌詞にはネガティブな感情を抱えた人の安息の地としての役割があるのではないでしょうか。
他の楽曲を紹介
最後に「生きること」にスポットライトを当てた楽曲を紹介します。
どれもとても考えさせらますよ。
まずはカンザキイオリの「命に嫌われている」という楽曲。
キレイゴトではない、力強い「生きろ」というメッセージに感動します。
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