新たな恋に踏み切る笑顔

素直な君の笑顔が映る

出典: 君がそばにいるから/作詞:幸耕平 作曲:幸耕平

臆病で、夢ばかり見て前に進めず、躊躇する。

そんな恋の迷子状態にある主人公の彼は、自分の心に翻弄されています。

これを打破したいと思いながらも、心に惑わされマリオネットのように踊らされる。

そんな状況の中、彼は目を閉じます。

すると「負けないで」と囁きかける女性を思い出すのです。

2人でなら歩める、立ち上がれる、そんな気にさせてくれます。

彼女の存在によって、彼の中で過去の恋の亡霊に立ち向かう勇気が湧き始めます。

相手の笑顔によって彼は、導かれているのです。

これは彼の心が未来に向かい、立ち上がることを表現しているのでしょう。

穏やかにまわり始める主人公の恋心

恋が落ちてゆくことで悲しい夜に終わりがくる

どんな長い夜でも朝の光待ってる
君と僕の胸に恋が落ちてゆく

出典: 君がそばにいるから/作詞:幸耕平 作曲:幸耕平

朝が来ない夜はありません

暗闇のような前の見えない苦しい環境でも、必ず夜は明けます。

そして暗闇には朝の明るい光が差すのです。

この主人公も最初は、過去の失恋の痛みという暗闇の中にいます。

人を信じられず触れ合うことを恐れ、よどんだ心でいました。

しかし笑顔が素敵な女性と出会います。

そして朝日のようにまばゆい希望が心に降り、彼に少しずつ注ぎ始めます。

緩やかに氷が解けるように、心の痛みが取れる中、始まる恋です。

恋が落ちてゆく部分は、傷を癒し、柔らかく流れ込み浸透する様子が描かれています。

つまり、柔らかな恋の始まりが表現されていると読み解くことができます。

失恋を経験した彼だからこそ

2人の胸に恋が落ちるという表現を見てみましょう。

ゆっくりと恋が始まる心を表現したフレーズではないでしょうか。

過去に辛い恋の思い出をもち、前に向くことを躊躇する彼。

痛い思いを経験したから彼が主人公だからこそ、この表現になったのでしょう。

ヒリヒリとした刺激的で、情熱的な恋では今の彼には辛いでしょう。

踏み切る覚悟も持てないのですから。

それならば、2人の間合いがゆっくりと嚙み合うような恋の方がお似合いです。

ゆっくり下降するように恋が発展してゆくことが表現されたのでしょう。

今の彼のような傷ついた心にぴったりな恋の始まりということです。

失恋の痛みをずっと引きずるのではありません。

苦しみや悲しみの向こうに、明るい希望が訪れるということです。

どん底が続くのではなく、必ず闇は明けることが表現されています。

眠るとき込められる願いとは

願いを込めて静かに眠る

出典: 君がそばにいるから/作詞:幸耕平 作曲:幸耕平

主人公の彼は、辛い恋から立ち直ろうと少しずつ前を向きつつあります。

そんな彼の前に天秤が現れます。

天秤の皿に乗っているのは、恋に踏み切れない自分。

反対の皿にあるのは、勇気を与えてくれる相手の笑顔でしょう。

彼は、始まる恋を始めようか躊躇しつつ、2人の未来の幸せを願っている不安な心模様にあります。

そんな彼ですが、眠るときは幸せな夢を見れますようにと願いを込めて眠りにつきたいのです。

素敵な夢を見れるように願う気持ちが込められたフレーズといえます。 

ただこの後のフレーズを含め、この表現には、実はもう一つの解釈がささやかれています。

ある思いを表現したものではないかという意見があるのです。

君は僕だけのものにしたい

どこからか青い鳥飛んできて
幸せが舞い降りる

出典: 君がそばにいるから/作詞:幸耕平 作曲:幸耕平

少し違った裏読みされてしまうのがこちらのフレーズです。

人は子を宿した際、コウノトリが飛んできて子宝を運んでくると表現されることがあります。

この歌詞の青い鳥は、同じように子宝という幸せを自分達に飛んできて欲しいと願っています。

僕の子を産み君は僕だけのものになる

家族になれば裏切られる不安も減る、また臆病になる心配もないでしょう。

そんな彼の裏の気持ちが表現されていると深堀りする意見もあります。

確かに前半のフレーズを見ても、主人公の彼は相当に臆病になっています。

しかし、この歌そのものは恋の始まりを表現しています。

確かに授かり婚から始まる出会いもありましょう。

しかし青い鳥をコウノトリに置き換えるのは少し過ぎた想像です。

これを踏まえても、青い鳥の表現は恋の成就で間違いないようです。

心を通わせることの大切さ