冒頭の歌詞です。
この歌詞を見ただけでカートが可愛くて仕方なくなってきそうです。
3行目は「あなたがまるでこの靴のようにぴったり合う」といった意味。
また、4行目はclueが「手がかり、糸口」ということから上記のように訳しています。
「話の糸口をつかむ」から、「同じ意見だろう?」ということですね。
なんという遠回しな「君が好きだ」という愛の表現なのでしょうか。
くだらない話でもいいから、リラックスして時間を過ごせる相手を欲している主人公。
そんな相手がどこかにいないだろうか?と探しているようです。
そんなときに君のことが浮かんできて、こうして君に提案しているのさ、という体裁。
しかしながら、初めから特定の女性を思ってのことなのは火を見るよりも明らかですね。
カートにこんなことを言われたら女性はイチコロのように思います。
ですが、そうそう上手くはいかないようです。
主人公の自信につながっているのは?
I'll take advantage while
You hang me out to dry
But I can't see you every night free
I do
僕にも少しはツキがありそうだ
君が僕と出かけている間だけはね
だけど僕は毎晩君に自由に会えないんだ
そうしたいのに、さ
出典: About A Girl/作詞:Kurt Cobein 作曲:Kurt Cobein
2行目ですが、直訳は「あなたが私を乾かすために外に干す」です。
しかしここでの意味としては「秘密にせず2人でデートする」といった感じでしょう。
そのデートもインドアではなく外に出るもの。
そのため、まわりに2人で出かけていることが知られても大丈夫な関係ということになります。
彼女がそれを許してくれているということは、主人公にかなり心を開いてくれていること。
そうであれば、主人公にはまだまだ彼女に付け入る隙がありそう、ということです。
そのことをもって、主人公は自分の自信にしているわけですね。
しかし毎晩一緒に過ごすような関係にまでは至れていないのが現状。
本当はもちろんそうなりたい主人公はものすごく残念そうです。
ここまで熱烈なアプローチを受けられる彼女は幸せそうに思えますが、どうなのでしょうか?
2番の歌詞
順番待ちの男たち
I'm standing in your line
I do hope you have the time
I do pick a number too
I do keep a date with you
僕は君の前の列に並んでいるんだ
君に時間があることを望んでいるよ
僕の番号が呼ばれるのを待ってる
僕は君とデートしたいんだ
出典: About A Girl/作詞:Kurt Cobein 作曲:Kurt Cobein
ここから2番の歌詞になります。
この部分の歌詞によって1つ分かったことがありました。
それは、彼女には順番待ちをしている自分のような存在が他にもたくさんいるということ。
男たちは自分の整理番号を握りしめて、彼女の前の列に並んでいるのです。
そして自分の番号が呼ばれることを今か今かと待っているのですね。
この女性は相当モテているみたいです。
おそらく何日かに一度、もしくは何週間かに一度だけデートできるといった具合なのでしょう。
しかし主人公はそれでもいいから君とデートし続けたいんだと言っています。
なんという愛の深さ。
君に僕とのデートをするための時間があることを願って、その順番が訪れるのを待つのです。
ちなみに「整理番号」というのは比喩表現で、本当に番号を与えているわけではないでしょう。
でも、もしかしたら「電話番号」とかけている可能性はあります。
男たちに与えられた番号はそれぞれの持つ電話番号で、呼ばれるときは無論その番号で呼ばれるわけです。
「I do」の意味
But I can't see you every night free
No I can't see you every night free...
Free
I do
I do
I do
I do
だけど君に毎晩会うことができないんだ
そんなバカな!君に毎晩会うことができないなんて
自由に会いたいよ
会いたい
会いたい
会いたい
会いたいよ
出典: About A Girl/作詞:Kurt Cobein 作曲:Kurt Cobein
歌詞としては、あとはここまでの内容を繰り返しています。
そして歌詞の最後の部分。
「I do」の後にいろいろな言葉が続けられてきました。
しかしその「I do」がラストではこの「会いたい」に集約されています。
僕にとってのいろいろな「したい」とか「そう思う」がありました。
しかし、それらをたった一言で表現するなら「会いたい」になるということでしょう。
カートの詞はそのメンバーも絶賛するほどだったそうです。
このような歌詞全体の仕掛けも、カートの得意とするところでした。
また、1行目から2行目にかけての部分。
「But」が「No」へ展開するところも、細かいですが非常に効果的な言葉の表現になっています。
ここはNirvanaらしく、少し爆発したイメージで和訳しました。
恋愛にたいしてはかなり不器用だったとされるカート。
しかしこの詞を読むとなんとも保護欲をかき立てられそうですね。
Wikipediaから豆知識
曲名の由来は?
According to Chad Channing, Nirvana's Bleach-era drummer, Cobain didn't have a title for the song when he first brought it into the studio. When asked what it was about, Cobain replied "It's about a girl."
出典: https://en.wikipedia.org/wiki/About_a_Girl_(Nirvana_song)
こちらはWikipediaからの引用です。
曲名がどのようにしてつけられたか、についてのエピソードですね。
当時のドラマーをつとめていたチャド・チャニングはこう話しているそうです。
曲を作ったカートが、スタジオでメンバーにたいしてそれを発表したときタイトルは未定でした。
そのことをチャドがカートに訊いたとき、カートが答えたのが「これはある女の子の曲だ」の一言。
それがそのまま曲名になったというわけなんですね。
さらに、その「ある女の子」についても記述がありました。