台湾の夜に一人、何を思うのか
一人さまよう繁華街
さて、引き続きMVを見ていきましょう。
中盤に差し掛かると夜の繁華街を一人で徘徊するRude-αさん。
ネオンに照らされた夜の繁華街、それも異国の地だとより好奇心をくすぐります!
街の喧騒は道行く人々の笑い声、食欲をそそる匂い…。
夜の繁華街はその土地の文化が凝縮されているように思います。
ホテルでゆっくりするのも旅の醍醐味ですが、街に出向いてみるだけで色んな発見がありますよ!
しかし今回ばかりは、そんな街の賑わいもRude-αさんへの慰めの声になるにはやや力不足だったようです。
MVにおいてRude-αさんは台湾の至る所で撮影を行っています。
しかし、その多くは遠くを見つめ、一人さまよっていますね。
“流浪の旅”そんな言葉が似合うように思います。
彼の目に映るものは一体…?
そんな街の雑踏に佇むRude-αさんは一体何を想っているのでしょうか。
きっと東京にいる彼女のことに違いありませんね。
道行くカップルを見つめ、その背中に架空の二人の未来を重ねているのかもしれません。
もしくはこの道を二人で歩く自分を想像しているかもしれませんね。
傷心旅行のはずが全力で傷口に塩を塗っていると思うのは筆者だけでしょうか。
昔に流行ったJ- POPには「思い出に殴られる」という表現がありました。
今回は殴られるどころか自分からサンドバッグになっているようも見えますね。
そして一体なぜ、旅行先に台湾を選んだのでしょうか。
もしかすると、別れる前に二人での台湾旅行を計画していたのかもしれません。
殴るどころか鉄パイプでもプレゼントしているようなものです。
傷つくだけ傷つきたい。
でもきっとそれでいいんです。
一度どん底まで落ち込んだっていいんじゃないでしょうか。
そこで感じた痛みは傷つけるだけではありません。
いつか本当のいい思い出になって、背中をさすってくれる日が来ることを信じて。
思い出は対戦相手ではなくセコンドなんですから。
舞台は昼間のストリートへ
舞台は夜の繁華街から一転、昼間のストリートへ移り変わります。
夜と違って穏やかな空気が流れていますね。
差し込む太陽の光や海岸の波打ちも相まって、美しい映像に仕上がっていますよ!
そしてグラフィックアートが施された路上を歩くRude-αさん。
HIPHOPという音楽の文化にはいくつかの要素が存在します。
ラップは勿論ですが、路上にあるグラフィックアートもその一つ。
ラッパーとしてのRude-αさんのルーツもしっかりとMVに組み込まれています!
未練は断ち切ることが出来ず…
一晩経っても未練を断ち切ることは出来なかったようです。
傷心旅行に行くくらいですから、そう簡単に断ち切ることは出来ませんよね。
そんな切ない未練を歌っているRude-αさん。
穏やかな空気が流れる街並みや美しく壮大な海岸線がとても似合っています。
美しい景色が切ない想いによく似合うのも皮肉な話です。
彼女はどう思っているのか
傷心旅行中のRude-αさん、その間彼女は…
傷心旅行中のRude-αさんですが、彼女の方は一体何をしているのでしょうか。
MVのカットでは終始、東京の街をさまよっています。
しかし、後半になるとベンチに寝そべって携帯を見つめる彼女の姿が。
曲の冒頭で携帯の着信音が鳴っていたのを覚えていますか?
Rude-αさんが彼女に残した留守電らしき語りの部分もありました。
きっと彼女の携帯には彼からの着信履歴と留守電の録音が残っているはず。
しかし彼女は掛け直すこともなく、ただその液晶を見つめるだけ…。
彼女は一体何を想っているのでしょうか。
彼女の答え
MVの最後、曲が終わった後には冒頭と同じ着信音が流れます。
どちらがどちらに、どんな意志で電話をしたのかは分かりません。
その着信は幸せのオルゴールか、終わりを告げるレクイエムか…。
その答えはきっと、リスナーの皆さんに託されているのかもしれませんね。