あの夜に あなたとめぐり逢えたこと
それだけでもうれしいけれど

出典: ジュリアン/作詞:中山加奈子 作曲:奥居香

彼に出会えたこと、それは彼女にとって奇跡に近い出来事だったのでしょう。

パーティーか何かでふたりは出会ったのでしょうか。

"めぐり逢い"という言葉のニュアンスから、誰かの紹介とか計画された出会いではなさそうです。

どちらかというと、偶然に近い出会いだったように感じます。

あいたい恋しい それが本心

あいたくてあいたくて あいたくて今夜も
恋しくて恋しくて 恋しくて痛いほど
はりさけてゆく心 知らずに
あなたは 今どこで眠るの

出典: ジュリアン/作詞:中山加奈子 作曲:奥居香

"あいたい""恋しい"のリフレインから、これ以上、胸に想いを閉じ込めておけない状態であることがわかります。

会いたいよ~、好きですなんですぅ、まるでそんな風に夜空に向かい大声で叫んでいそうです。

また今夜"も"というところから、毎夜毎夜、同じ想いを巡らせていることが想像できます。

その一方、私は夜も眠れぬほどあなたのことを想っている。

それなのにどうしてあなたは平気で寝ていられるの?という、少し身勝手な言い分も見え隠れします。

ただそれも、彼女のささやかな我儘でしかありません。

なぜなら、どんなに文句を言ったところで、彼に届くことはないからです。

2番を解説

一人芝居の悲しさ

ジュリアン あなたのしぐさを 鏡でまねして
元気でいますか 話しかけて 涙がおちた

出典: ジュリアン/作詞:中山加奈子 作曲:奥居香

鏡は自分の姿を映すものです。

でも彼女は鏡を使って、彼に会おうとしました。

どうやって?

そう、鏡の前で彼のマネをしたのです。

恐らくずっと長い間、彼のことを見つめてきたのでしょう。

彼の一挙手一投足が彼女の脳裏に焼き付いています。

なので彼を自分自身で演じることは、彼女にとってたやすいことなのです。

ただそれはとても寂しいことでもあります。

自身で演じた彼に話しかける自分が、あまりにも惨めに感じてしまい、涙がこぼれ落ちてしまいました。

夢の中でいいから

ジュリアン もしも夢の中 許されるなら
暖かい胸に 包まれて好きと言えるのに

出典: ジュリアン/作詞:中山加奈子 作曲:奥居香

 夢という非現実の空間でだけ叶えられること。

彼女にとってそれは彼の腕に抱かれ好きと告白することでした。

現実世界では告白したくともできない、何か深い事情があるのでしょう。

ただ夢の中ですら、許してもらえるのなら、と言っているところが少し気になります。

余程好きになってはいけない相手のなでしょうね。

募る想い

切なくても自分の気持ちに正直でいたい

こんなせつない恋を 私は忘れないでしょう
くだけそうな心を まっすぐに大切に
あなただけにかたむけていた

出典: ジュリアン/作詞:中山加奈子 作曲:奥居香

お相手は既婚者?またはすでに彼女がいるのでしょうか。

それともどこぞの王様で身分違いの恋だったりして...。

とにかく好きになってもその恋が叶うことはない好きになってはいけない相手であることはハッキリしていました。

そんなことは初めからわかっていたのです。

それでも人は恋におちてしまう。

どうしようもない切なさを噛みしめながら、好きであり続けることを選びました。

自分の気持ちにウソはつきたくなかったのです。

だけど彼女は後悔していません。

こんな苦しい恋でも、ずっと思い続けているのですから。

つぼみのままの彼への想い