それでは、『もしも僕に』の歌詞の意味を解釈していきたいと思います。
子どもができたら
もしも僕に子供ができたら
どんなことを伝えるだろう
期待してるよ 頑張れよ
そんなこと まず言わないだろう
一日三食飯食って
よく笑いよく泣き遊べ
そして他人を褒められる人になれ
出典: 朝/作詞:関取花 作曲:関取花
『もしも僕に』というタイトルを見て、どのようなことが起こったと想定したのかと気になった方も多いでしょう。
これは、「子供ができたら」です。男性・女性ともに、ふとこのような想像をしたことがあるという方もいらっしゃると思います。
「僕」は、子どもにがんばれなんて言いません。しっかりご飯を食べて、元気に成長してくれたらそれだけで幸せなのです。
また、うれしい時に笑って悲しい時に泣き、たくさん楽しく遊んでほしいと願っています。
他の人からほめられるような人間になれれば、それはとても立派ですよね。ほめられる人は愛される人でもあると思います。
努力は大抵報われないけれど
努力は大抵報われない
願いはそんなに叶わない
それでもどうか腐らずに
でかい夢見て歩いて行くんだよ
出典: 朝/作詞:関取花 作曲:関取花
努力すれば必ず報われるなんてことはありません。希望や願いもそんなに叶うことはないでしょう。
しかし、それでも努力をしなければ、報われることはありません。
そのため、そのような現実を知っても諦めずに、「でかい夢」を持って生きてほしいと願っているのです。
こんな素敵なことを言ってくれる親が近くいれば、きっとまっすぐに育つでしょう。
恋をするなら
もしも僕に子供ができたら
どんな恋をするのだろう
父さんと母さんみたいになれよ
そんなこと言えたらいいな
一度や二度の過ちも
いつかはきっとするのだろう
立つ鳥跡を濁さずでうまくやれよ
出典: 朝/作詞:関取花 作曲:関取花
子どもに対して、自分たち夫婦のような恋をしろよと言えたらすごいと思います。客観的に捉えたら、恥ずかしくて言えないですよね。
「僕」は、子どもの恋における過ちに対してもとても寛容です。きっと恋に夢中になって、まわりのことが見えなくなる時もあるでしょう。
そのような時には、多くの人たちにたくさんの迷惑をかけてしまう時もあるかもしれません。
しかし、「僕」はそんなことをしても構わないので、後腐れのないようにきれいに別れるように諭しています。
初恋はまぼろし
初恋なんてまぼろしで
思いは大体届かない
それでもどうか忘れずに
胸の端っこで大事にするんだよ
出典: 朝/作詞:関取花 作曲:関取花
初恋は大概うまくいかないですよね。好きな人とすんなり付き合える人は、なかなかいないでしょう。
しかし、そのようなはじめて人を好きになった思い出はとても大切なものです。初恋は人生の中で一度しかありません。
そのため、胸の片隅に大事にしまっていてほしいと思っています。どんなに傷ついたとしても、時が経って振り返ると初恋はきれいなものですよね。
いらない荷物は増えるけれど
うまくいかないことばかり
なぜいつもあいつばっかり
隣の芝はいつだって青いけれど
知りたくないこと知ったり
優しい嘘を覚えたり
いらない荷物は増えてしまうけれど
出典: 朝/作詞:関取花 作曲:関取花
人生には何をやってもうまくいかず、他の人に嫉妬する時もあります。
また、知りたくないようなつらいことや嫌なことを知ってしまうこともあるでしょう。
時には、人を傷つけないために「優しい嘘」をつく場合もあります。素直なだけでは、うまく生きることは難しいです。
そのような本来であれば持っていたくない「いらない荷物」が、生きるほどに増えていってしまうことは避けられないのかもしれません。
まさかのオチがある
それもこれも 最後には
笑い話に変えられるように
人生なんてそうさネタ探し
楽しんだもん勝ち そういうものだよ
もしも僕に子供ができたら
そういうことを伝えたい
でもまだきっとずっと先の話
だからそれまで自分に言い聞かす
とりあえず自分に言い聞かす
出典: 朝/作詞:関取花 作曲:関取花
「いらない荷物」はその時にはつらくても、いつかは大抵笑い話になります。
もしも、イヤなことがあって悲しそうにしていても、楽しくなることはないでしょう。それとは反対にイヤなことも笑えれば人生に勝ったも同然かもしれません。
ここまで「僕」はとても良いことを言ってきましたが、子どもができる予定なんてないというオチがあるのです。流石ですね、関取花。
そして、子どもは当分できそうにないので、子どもに向けた言葉を自分に言い聞かせようと考えています。
自分が考える理想を、まずは自分で実現しようということでしょう。つまり、これは子どもだけでなく、大人にも向けたメッセージソングなのです。