内にため込んでいたものを吐き出す

はぁ?うっせぇうっせぇうっせぇわ
あなたが思うより健康です
一切合切凡庸な
あなたじゃ分からないかもね
嗚呼よく似合う
その可もなく不可もないメロディー
うっせぇうっせぇうっせぇわ
頭の出来が違うので問題はナシ

出典: うっせぇわ/作詞:shudou 作曲:shudou

知らない間に普通や当たり前というものにどっぷりハマっていた大人。

ふとした瞬間に、多くの憤りやイライラを感じていたことに気づきます。

それは社会に、そして自分自身に対して感じていたもの。

ずっと感じながらも、心の内にため込んでいたものを吐き出します。

平凡で、和を乱さないように当たり障りのないことしか言わない。

つまり普通で当然のルールに染まった普通の大人に向けて叫ぶのです。

「うっせぇわ」という言葉。

それに乗せて、心に溜まった憤りやイライラをぶつけていると考えられます。

うっせぇわと誰に向かって言っているのか?

この歌に出てくる人称代名詞は「私」「あなた」「アタシ」の3つです。

歌詞の中では基本的に「あなた」に向かってうっせぇわと言っていることが読み取れます。

では「あなた」というのは誰のことを指しているのでしょうか。

「凡庸」と表現される「あなた」。

実際にいる誰かや目の前にいる存在を指しているのではないと読み解いてみましょう。

ここで指されているのは「優等生のまま大人になった、普通の自分」です。

平凡で周りに合わせて当然のルールに従って生きている普通の大人の自分

そんな平凡な自分に向かって、「私」が本当に思っていることをぶつけている。

そういった心の中の葛藤が描かれていると読み取れます。

後半のうっせぇわは誰に向けられたものか?

歌詞を少し先送りして、後半の歌詞を見てみましょう。

2番で飲み会が描かれたシーン。

ここで投げかけられた「うっせぇわ」は上司に向けられたものです。

そして再び出てくる「あなた」は、やはり普通の大人である自分に向けてのもの。

さらにまた上司に対して「うっせぇわ」と言っている一節と重なります。

まるでだんだんと混乱してきているように見えてきます。

嗚呼つまらねぇ
何回聞かせるんだそのメモリー
うっせぇうっせぇうっせぇわ
アタシも大概だけど
どうだっていいぜ問題はナシ

出典: うっせぇわ/作詞:shudou 作曲:shudou

最後のフレーズ。

混乱した末に「あなた」と「私」が混ざってしまい「アタシ」となって吐き捨てられます。

平凡な自分の「あなた」はくだらない飲み会で偉そうに振る舞う上司とも重なる存在。

けれどその平凡な自分も、本音の自分も自分自身

この混乱は何を意味するのか、それは後程。

模範人間は暴力でなく言葉で戦う

つっても私模範人間
殴ったりするのはノーセンキュー
だったら言葉の銃口を
その頭に突きつけて撃てば

出典: うっせぇわ/作詞:shudou 作曲:shudou

心の中にある憤りを吐き出した私。

我を忘れそうになったことに気付き、もう一度、自分が模範的な人間だと見つめ直します。

つまり常識のある普通の大人である。

そのことを改めてここで確認しています。

だから抱えている不平不満や憤りに対しても暴力ではなく言葉を使って戦うんだと宣言します。

そうして再び心の中にため込んでいたものを吐き出していきます。

今まで心の中に秘めて我慢してきたものが爆発した私。

心の芯まで残酷で、むごい感情に変わってしまったかのように感情が止まらなくなっていきます。

憤りや不平不満をサラリーマンの飲み会に凝縮して表現

クソだりぃな
酒が空いたグラスあれば直ぐに注ぎなさい
皆がつまみ易いように串外しなさい
会計や注文は先陣を切る
不文律最低限のマナーです

出典: うっせぇわ/作詞:shudou 作曲:shudou

社会に溢れているよくわからない暗黙のルールや上司のこと。

わかりやすい例えとして会社員の飲み会で表現しています。

「だりぃ」という本音を秘めつつ、普段の私は社会人のマナーとしてわきまえています。

しかし秘めた本音は心の中で、うっせぇという言葉とともに勢いよく吐き出されていくのです。

上司に対して次々と毒づいた言葉を吐く私。

酔っぱらって自分が何かの代弁者であるかのように偉ぶる奴。

誰かに聞いた話を自分の意見や考えもないくせに押しつける奴。

長年社会で身に付けてきた上っ面だけで語り続ける上司に対して、次々に強い言葉をぶつけます。

会社員として働いて会社の飲み会に参加したことのある人なら誰しもが共感できる内容。

多くの人がこの曲にグッと引き込まれるポイントではないでしょうか。