2020年を席巻したYouTube発ナンバー

Ado【うっせぇわ】歌詞の意味を解釈!うっせぇわは誰に向けた言葉?健康と言いきる裏に込められた想いはの画像

「うっせぇわ」は2020年10月23日にYouTubeで発表された楽曲です。

歌い手Adoという女性シンガー。

作詞作曲はミュージシャンでもありボカロPでもあるsyudouという男性です。

一度耳にしたら忘れられないインパクトのある歌声と歌詞

それは一瞬で多くの人の心を揺さぶりました。

たくさんの有名人や配信者が「歌ってみた」「踊ってみた」 にこの曲を使用。

そうした関連動画のYouTubeなどへの投稿数からもその圧倒的影響力がよく伝わってきます。

それに留まらず、幼い子供から大人のリスナーの耳まで虜にした一作。

まさに2020年を代表する「賛否両論の一曲」となりました。

Adoという歌い手の影響力

誤解されている曲の解釈

Ado【うっせぇわ】歌詞の意味を解釈!うっせぇわは誰に向けた言葉?健康と言いきる裏に込められた想いはの画像

Adoは正体不明の女性シンガーとされています。

とはいえ全く本人に関する情報を隠しているわけではありません。

年齢は10代で、2020年時点で「少し前まで高校生」だったことが明かされています。

そして「うっせぇわ」を作詞作曲したのはボカロPのsyudou。

こちらも非公開の情報が多いのですが、公開されている情報では20代の男性。

もともと会社員として働いていたことがあると明かされています。

 Adoの力強くインパクトのある歌声と、強烈なサビの歌詞とメロディ。

それを耳にすると、思春期の女の子社会への不満をぶちまけているという印象を受けます。

歌詞の内容と歌い手のAdoのキャラクター性がぴったりマッチした為もあるでしょう。

そして「うっせぇわ」という印象的な言葉遣い。

これは大人が使う言葉ではなく、いかにも子供が口にする言葉遣いに感じられます。

何度も繰り返される言い回しもそれに拍車をかけています。

そのためより一層「子供や思春期の子が叫んでいる」ような印象を受けるのです。

しかし歌詞の内容をよく見てみると、描かれているのは社会人としての想いや背景。

思春期の叫びではないことが読み取れます。

「10代の女の子が歌っている」という先入観も、この歌の解釈を誤解させているのです。

思春期の女の子の叫びとうまくミスリードしながら、本当に叫びたかったことは一体何か。

ここではsyudouの経歴を手掛かりに、社会人として生きる者の歌であると読み解きます。

普通で常識の皮をかぶった大人と、タガが外れて本音をぶちまけている大人。

ふたりの大人がひとりの心の中で葛藤する複雑な感情と苦悩。

そんな、多くの人にも覚えのある葛藤を描き出した曲として歌詞を読み解いていきましょう。

歌い方、表現力ゆえの影響力

曲の内容が誤解される一番の原因。

それこそが、一度耳にしたら忘れられないインパクトのあるAdoの歌声です。

曲が持つ世界観をイメージしやすいように発揮されるその表現力。

ビブラートやこぶしといった一般的な技術はもちろん存分に発揮されています。

さらに「がなり」や裏声、ささやき声など多様な技術と表現力で歌い上げているのです。

特にサビに関しては、その表現力は圧倒的。

むしろ一般的な評価からは、曲のイメージが歌い方に引っ張られすぎているようにすら感じられます。

「うっせぇわ」に続けて飛び出す、不平不満やちょっと上からの物言い。

それは一聴すると、思春期の子が社会への不満をぶちまけているように感じられてしまうのです。

ミュージックビデオの影響力

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MVが曲の印象を強めていることも、曲の内容が誤解される一因となっています。

全編アニメーションでリリックビデオ風の演出が目を惹くMV

Ado本人を思わせるセーラー服風の衣装を着た女の子が主人公として登場しています。

切れ長の強い目つきでにらみつけ、尖った歯の見える大きな口で叫ぶ。

そんなサブカルチャーと親和性の強い演出が、思春期の叫びに見えてしまうのです。

またMVには凝った演出の歌詞がずっと表示されているのも印象的。

強い印象の女の子の映像と一緒に強い言葉が目に飛び込んでくる映像となっています。

それが曲の解釈に、ひとつの大きなミスリードを発生させているのです。

「思春期の叫び」に巧妙にカモフラージュした「叫び」の正体、込めた想いとは。

歌詞を辿りながら、その真意に迫っていきましょう。

主人公はどこにでもいる普通の大人

ちっちゃな頃から優等生
気づいたら大人になっていた

出典: うっせぇわ/作詞:shudou 作曲:shudou

歌い出しの歌詞。

この言葉にもあるように、この歌の主人公は大人です。

しかも外から見たら「優等生」と表現されるような大人。

おそらくきちんと常識を持った、普通のどこにでもいるような大人なのです。

性別は受け取り手の自由に委ねられているとのこと。

それもそっか
最新の流行は当然の把握
経済の動向も通勤時チェック
純情な精神で入社しワーク
社会人じゃ当然のルールです

出典: うっせぇわ/作詞:shudou 作曲:shudou

流行の把握や経済のチェック。

そんな毎日を「当然」と言いきります。

社会で当たり前とされているルール、普通の大人当たり前にしていること。

それを「私」はきちんと把握しています。

そんな普通の大人が、あるとき「足りない」と憤りや不満を抱えていることに気づくのです。

吐き出される憤り、イライラ、不平不満