「踊」ってどんな曲?
強力なメンツが集まって作られたナンバー
作詞にDECO*27(デコニーナ)、作曲編曲にGiga・TeddyLoidという強力なメンツが集合しました。
それぞれが独立した凄腕ミュージシャンでありクリエイターの三人が、Adoのために制作したのが「踊」です。
Adoを加えたスーパーな四人の化学反応が、これまでとはまた一味違ったAdoの魅力を引き出しています。
また、NHK総合の番組「夜光音楽 ボカロP 5min.」のテーマソングにもなり話題になりました。
土着の民族音楽的な跳ねるリズム
お祭りを思わせるようなアゲアゲの跳ねたリズムが特徴的です。
タイトルの「踊」のようにまさに踊るようなリズム。
民族音楽のように土着の泥臭いリズムでありながら、EDMの要素をミックスした新しい音になっています。
お祭りの太鼓やお囃子が聞こえてきそうな跳ねたリズムは、頭ではなく身体が反応する感覚です。
民謡に近いノリを感じます。
歌詞を紐解く
力づくでテンションアゲて吹っ飛ばす
歌詞全体から感じとれるのは、主人公は何か傷つくことがあって、それをふっ飛ばしたいということです。
歌詞の雰囲気から察すると、失恋からの立ち直りがテーマなのではないかと思います。
ツラく悲しい失恋の痛手を、逆に笑い飛ばすくらいのテンションでふっ飛ばす。
こんな悲しんでメソメソしてる自分なんて、全然イケてないわ、と言っているようです。
そんなことをイメージしながら、パート毎に考察してみましょう。
開演準備
半端なら K.O. ふわふわしたいならどうぞ
開演準備しちゃおうか 泣いても笑っても愛してね
ほら say no 低音響かせろ
出典: 踊/作詞:DECO*27 作曲:Giga・TeddyLoid
いきなりサビからなので、ここだけ見ても分かりづらいかなと思います。
ですが、失恋の痛手を追った主人公が無理やりテンションを上げようとする様子がうかがえます。
おそらく、不慣れな場所(クラブなど)に出かけ、足を踏み入れる瞬間の心理描写です。
半端に盛り上がってもKOされるだけ、本気でアガりたいならWelcome。
だけど、慣れてないから泣いたり笑ったりしても見逃してね、といった具合です。
非日常に足を踏み入れるドキドキ感とちょっと不安な本来の自分を表現しているように思います。
そして、すべてのイライラに”say no”と言って飛び込みます。
ちなみに、最初の”ふわふわ”という印象的な歌いまわしがパーティー感を強調しています。
元をたどれば、1985〜90年頃のバブル景気で、日本全体が浮かれていた時代に遡ります。
あの時代、ディスコなどで毎夜踊る人たちの様子を”ふわふわ”と揶揄しました。
ある種の異常なバカっぽさの象徴であり、アガる状況そのものを表した言葉です。
つまり、それくらいバカになってツライことを忘れたいという心理の裏返しではないでしょうか。
傷ついて開き直る
なんだかな ってつまんないこともあるでしょう
ロンリー論理のノート ハンディー本気脱走
やんなっちゃって泥に bad ご法度だろうが溺れて堕ちて そろそろいっか
出典: 踊/作詞:DECO*27 作曲:Giga・TeddyLoid
失恋の痛手を追った心もようを言葉にしています。
ロンリーと論理で韻を踏んで、ロンリーとハンディーでまた韻を踏んでノリを出しています。
ロンリー=寂しい、実はこの主人公は繊細な少女なのかもしれません。
悲しいとか悔しいとか泣きたいとか、ネガティブに堕ちた結果、開き直る。
”そろそろいっか”は、メソメソしてる自分を客観的に見てる様子が見て取れます。
堕ちることに飽きたと言わんばかりに、あっけらかんと言ってしまう強さ。
泣くだけ泣いたらすっきりしちゃったしお腹も空いた、なんて経験ある方もいるのでは?