ノスタルジックな始まり
風の音。赤いヘッドホンをつけたP-CHOさんが空を見上げています。
立っている場所はビルの屋上でしょうか。一瞬、暗転。
港のある海岸が背景のタイトルバックはノスタルジックなブルーグレーに染まっています。
カントリー調の古めかしいテレビの上に飾られた写真立て。
額縁には「2015 DOBERMAN INFINITY 今年は目指せ 日本武道館!!」の文字。
おそろいのTシャツを着たD.Iの5人の写真……。
曲が始まる前から共有してきた時間が懐かしく思い出されるような感覚になります。
永遠の絆を誓う
出だしはKAZUKIさんのメロウなボーカル。
レトロなソファーのあるビルの屋上、D.Iの5人がビールで乾杯するスローモーション。
MCが始まると、5人がそれぞれ別の道を歩いている映像に切り替わります。
ファッションはまちまちですが、共通しているのは耳につけたヘッドホンまたはイヤホン。
これまで歩んできたそれぞれの道のり、いつもそばにある音楽が表現されています。
空を見上げるだけで存在を感じられる。そんな強い絆が永遠に続くことを誓うMCです。
映画『DTC』の映像も
途中からは映画『DTC』の映像も混ざってきます。
純情トリオDTCによるバイク旅、温泉街の階段を駆け上がる姿、旅館でのくつろぎ……。
D.Iの5人の姿と交互に描かれますが、テイストがいきなり変わるなどの違和感はありません。
誰もがそれぞれの道を突き進んでいる。そんなロードムービーのような印象。
ただいつでもどこでも空を見上げるとそばにいる。
お互いにそう感じ合う強い絆があるからこその統一感ですね。
MVで描かれた3つの絆
映画『DTC』のヒロインである旅館の女将は夫に先立たれたシングルマザー。一人娘がいます。
だからこそお互いに想い合っている番頭さんとの再婚になかなか踏み切れません。
そこへやってきた純情トリオDTCのうちチハルが女将さんに恋しちゃいますが……という物語。
「YOU & I」のMVでは海沿いの道で一人娘を探し回る女将さんと番頭さんの姿も。
タイトルバックのシーサイドの映像や歌詞も映画をイメージしたものだとわかります。
映画と違和感なく混ざり合うD.Iの5人は最終的に冒頭で登場したビルの屋上に集います。
一見バラバラのようで実はつながっているストーリー。
このMVで描かれた3つの絆についてさらに掘り下げてみましょう。
D.Iの絆
「YOU & I」というタイトルからわかるようにこの楽曲では「あなたと私」の絆が描かれています。
この「あなたと私」とはいったい誰なのでしょうか。
MVで描かれた3つの絆のうち1つ目はD.Iの5人によるもの。
彼らには長い下積みや改名、メンバーの脱退や加入があり、落ち着いたのが2015年頃でした。
そこから「今日よりも強く生きる」ことで前を向いてきました。
SWAYさんがMVの最後のほうで冒頭の写真立てを手に取って眺めます。
これによりD.Iの5人がそれぞれの道のりを振り返っていたことがわかります。
そして未来へとつながる永遠の絆であることも。
DTCの絆
また「YOU & I」は映画『DTC』のための完全書き下ろし楽曲。
そのため映画に登場する人物たちの絆についても当然意識されたものになっています。
純情トリオDTCのうちチハルの恋は実らない感じ。それどころか番頭さんを応援する側に回ります。
届かない君を包む空になる。
大切なものを握りしめて前に進む。
こういう「あなたと私」の絆もあるというわけですね。
ハイローの絆
「YOU & I」のMVでは映画『DTC』のシーンが違和感なく混ざり合っています。
むしろ絆と絆の相乗効果でさらなるスピンオフ作品が生まれたといってもいいでしょう。
誰もが主役になりながら絆を深め合う。
これこそが総合エンターテインメントプロジェクト『HiGH&LOW』ならではの強い絆の証。
もちろん映画を観たり、主題歌を聴いたりするあなたとの絆も偶然ではありません。